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第3話

Penulis: スパイシーエビだん
その光景を目にした瞬間、記憶が鋭く胸を刺した。

かつての私は、ゴルフに夢中だった。

あの頃の将人はまだ世間知らずの貧しい青年で、私がゴルフをするたびに、いつも日傘の下で静かに私を待っていた。

私は彼の時間を無駄にしたくなくて、何度も来なくていいと言った。

それでも彼は諦めず、ほとんど私のすべてのラウンドに付き添ってくれた。

ある日、山の中腹のコースで突然豪雨に見舞われ、ゴルフカートがぬかるんだ急斜面で横転した。

変形した車体の下敷きになった私を助けるため、将人は素手で重い金属製のドアをこじ開けた。

助け出されたとき、彼の両手は血まみれで、鉄板に切り裂かれた傷は骨が見えるほど深かった。

それから私たちは恋人になった。

彼がいたからこそ、私は平凡な幸せを求めるようになり、自分の力で稼ぎたいと思うようになった。

家には一生使い切れないほどの財産があったにもかかわらず、私は自ら独立して起業する道を選んだ。

あの頃、この練習ルームで彼の手を取り、クラブの握り方もスイングの力の入れ方も、一つひとつ私が教えた。

それなのに今、彼は私が何より大切にしてきた場所を跡形もなく壊し、別の女の趣味のための音楽スタジオへと作り替え、そのうえ二人だけの「共同作品」まで残していた。

まるで冷水を浴びせられたように、私は突然ゴルフをする気力を失った。

私は将人に電話をかけた。

長いコールの末、ようやく電話がつながる。

受話器の向こうからは、波の音が聞こえてきた。

「桐子?どうした?今ちょうどホテルに着いたところなんだけど」

将人の声には、わずかな苛立ちが滲んでいた。

私は壁に書かれた「秘密基地」の文字を見つめながら、氷のように冷たい声で尋ねた。

「ゴルフ場にあった私専用の練習ルーム、どうして三原詩織の音楽スタジオになっているの?」

電話の向こうで、一瞬沈黙が流れた。

将人の声も、一瞬だけ動揺を見せた。

「......もう何か月もゴルフしに来てなかっただろ?詩織は音楽が好きで、ずっと人目を気にせず練習できる場所を探してたんだ。どうせあの部屋は空いたままで無駄だったから、彼女が気分転換できるよう改装させた。あのさ、桐子。使ってもいない部屋一つのことで、わざわざ電話して責めるつもりなのか?」

私が口を開く前に、電話の向こうから詩織の弾んだ声がかすかに聞こえてきた。

「将人さん、海辺で写真撮りましょうよ!」

将人は慌てて受話口を押さえ、急ぎ足で言った。

「じゃあな、こっちはまだ用事がある。帰ったら新しいゴルフクラブを買ってやるから、それで勘弁してくれ。そうそう、式場の予約、忘れるなよ?」

通話終了音を聞きながら、私は思わず冷笑を漏らした。

私はそれ以上何も返さず、作成しておいた離婚協議書を将人へ送信した。

その後の半月、彼から返事は一通も届かなかった。

彼は詩織と島で夕日を眺め、ダイビングを楽しみ、傷心旅行に付き添い、SNSに投稿される写真はどれも満面の笑みだった。

離婚協議書は、まるで私という存在そのもののように、完全に放置され、彼の頭の中から消え去っていた。

半月後、ようやく将人は休暇を終えて帰宅した。

家へ戻るなり、この半月ずっと家にいた私が結婚式の準備をまったくしていないと知ると、彼はいきなり怒鳴った。

「出発前に式場を決めておけって言っただろ!?この半月、家で何をしてたんだ?本当に結婚式を挙げる気があるのか!」

私はソファに座ったまま、目を細めて答えた。

「もうないわ」

将人は一瞬言葉を失い、さらに怒りを募らせた。

「まだハネムーンの件で拗ねてるのか?帰ってきたら埋め合わせをするって言っただろ。いつまでも根に持つつもりだ」

私が口を開こうとした、その時だった。

スマホが突然激しく震え始めた。

電話に出ると、秘書の焦った声が飛び込んできた。

「庄司副社長、大変です!すぐ会社に来てください。大変なことになっています!」

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