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195.幸せな夏の想い出①

Auteur: Aica
last update Date de publication: 2026-02-05 22:29:30

それから少し経ったある週末の土曜日。

「えっ、もうこんな朝早くに出発ですか?」

「あぁ。今後の打合せだったり現場視察とか、今日は一日いろいろやらなきゃいけないこと多くてさ」

「お休みなのに、泊まりでそういうお仕事も入るんですね」

「こういうことは休日にしか出来ないことも多いからな。代表のオレは正直休みはあってないようなもんだよ。それよりその時出来ることがあれば常に動いてたいしな」

「さすがですね社長。でもそっか。土日、泊まりなら二日間会えないってことですね」

「あぁ。悪い。明日の夕方までには帰ってこれるとは思うから。晩飯は一緒に食おう」

「じゃあ、明日の夜はお家で準備しときますね」

「いや、夜はどこか食いに行こうか」

「えっ、社長出張あとでお疲れなのにいいですよ!」

「あっ、もしかして明日どっか出かける予定あった?」

「いえ。出かける予定は今日だけです」

「そっか。今日お前も出かけるんだ?」

「はい」

「なら今日は心配いらなそうだな」

「社長に二日間会えないのは、ちょっと寂しいですけど」

「今日はたまたまオレが仕事だったけど、お前もお前で普段から予定あるだろうから、休みの時でも気にせ
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  • おいしい契約恋愛   300.社長の過去と真実③

    「あ~。でも、それならもっと早く帰ってこればよかったー! そしたらもっと早く慧さんに会えてたのに!」そのサプライズは嬉しいけど、でものんびり楽しんでたことで、慧さんに会う時間が遅くなったのは少し悲しい。「それはオレが何も連絡入れなかったんだから仕方ないよ。でも……、この時間にいないと思ってなかったから、ちょっと焦った……」後ろの方で慧さんが静かに呟く。「あっ、ごめんなさい! 今日琉偉のEveRのライブがあって。そのあと皆で盛り上がって打ち上げしてたらすっかり遅くなっちゃって……」と、後ろを振り向きながら慧さんに必死に説明する。「あぁ、そっか。彼らのライブだったのか……。よかった……」すると、なぜかそれを聞いて安心したかのように呟く慧さん。「えっ? よかったって……?  逆に遅くまで帰ってこなくて怒ってるんじゃないですか……?」「フッ。そんなことで怒るはずないだろ。それはずっと依那が大切にしていた時間なんだし。逆にいつもオレがいることで早く切り上げて帰ってきてること気になってたくらいだったから」「えっ?」「依那。ホントはもっと皆と一緒に盛り上がってたいんじゃない? だけど依那のことだからオレを気にかけて早めに帰ってきてくれてるんだろうなと思ってたから、今日は気にせず楽しんできたんだなと思って安心したよ」「慧さん……」慧さん、気付いてたんだ……。やっぱりそういう細かなとこに気付くのが慧さんなんだよな。「そんなの……、あたしは慧さんに会いたくて自分で帰ってきてるだけなので、慧さんが心配することなんて一切ないです!」慧さんは何も言ってない。あたしが勝手に早く帰ってきてるだけ。皆とはその前の時間とかライブ中とかもちゃんと楽しんでるし。ホントに遅くまでいたい時は、ちゃんと慧さんにそう伝えてる。だから、慧さんは気にすることなんて一切ないのに……。「そういう理由で遅かったんならよかった」「今日帰ってくると思ってなかったから、忙しい慧さんにわざわざそんなあたしの予定いう必要ないと思ってたから、事前に伝えてなくて……。ごめんなさい」「なんで謝るんだよ。別に謝ることなんて何もないだろ」「でも……。あたし的に慧さんが帰ってくる日は、おかえりなさいって笑顔であたしが出迎えたいって思ってたので……」長期間、海外で忙しく頑張っていた慧さんを、帰

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    すると、ソファーに座っているずっと待ち焦がれていた慧さんの姿。「慧さん……?」ソファーで携帯を見ていた慧さんにあたしは声をかける。すると、こちらに気付いて。「あっ、依那。おかえり」フワッと優しく微笑んで応えてくれる慧さん。あぁ。ホントに慧さんいた。慧さんホントに帰ってきてくれた。「慧さん、おかえりなさい」あたしは嬉しくて全力の笑顔で迎える。「ただいま」慧さんはまた優しく微笑んで応えてくれる。それを見てるだけで嬉しくて胸が切なくなる。慧さんがいる。やっと会えた。「ん? どした?」あたしは胸がいっぱいになって、少し離れた場所で慧さんを見つめていると、そこから動かない慧さんが声をかけてくる。「いや、なんかホントに慧さん帰ってきたんだと思ったら嬉しくて」「ハハ。嬉しかったらなんでそこで固まってるんだよ」「なんか現実味なくて。本物だ、と思って」「なんだそれ(笑)  オレは別に芸能人でもなんでもないだろ」と、あたしの言葉に笑って答える。ここしばらくのあたしは、ずっと会いたくて会えなかった慧さんに対して、ホントにそれくらいの気持ちになってたような気がする。遠く離れた場所で一人活躍していることも、自分の何も出来ないところで騒がれていた時間も、結局あたしにとって、少し遠くの人に感じてしまうような、そんな感覚だった。だから、今は今までで一番この会えた喜びが、胸いっぱいに、身体中に溢れてくる。こんなにも会えただけで、嬉しくて幸せになる。「ずっと。会いたかったです……」「ん。オレも。依那。おいで」すると、慧さんが手を広げて、あたしを呼ぶ。それを見て、あたしはソファーまで行き、慧さんの隣に座る。「そこじゃなくて」「え?」「ここ」そう言いながら慧さんの座ってる前をポンポンと叩いて、前に座るように慧さんが促す。「えっ!?」「おいで。ずっと会えなかった分、依那をいっぱい補充させて?」そう言って優しく笑う慧さんに、あたしは少し恥ずかしくなりながらも慧さんの前に移動しちょこんと座る。「はぁ~、ようやく依那感じられた」後ろからあたしを抱き締めながらすぐそばで慧さんが囁く。前に回してきた慧さんの腕を、あたしもそのまま上から重ねてギュッと抱き締めながら慧さんのぬくもりを確かめる。「ビックリしました。今日帰ってくると思ってなかった

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    それから数日後の週末の金曜日。慧さんの出張の帰りを待つ中、前から予定が決まっていた琉偉が所属しているEveRのライブに参戦。慧さんに会えない寂しさの中、このタイミングでの琉偉たちのライブで楽しめる時間は正直すごく有難くて。何もなく一人で家で過ごしていると、やっぱり慧さんがそこにいないことを常に実感してしまう。その度、慧さんが恋しくなるけど、仕事の邪魔もしたくなくて、やっぱり少し我慢してる自分もいた。元々しょっちゅう連絡し合う関係じゃないだけに、こういう時遠慮してしまう寂しさに少しだけ後悔。だから、今はライブや終わってからみんなでご飯食べながら盛り上がれる時間とか、久々に時間を気にせず楽しんだ。気付けば時間は終電ギリギリまで盛り上がって。さすがに慧さんと付き合い始めてからは、ここまで遅くなったことはなかったかも。どれだけ打ち上げで盛り上がっても、どこかで慧さんが気になって切り上げるようになってたもんな。そういえば、前にも出張の時、確かこんな日あったっけ。あの時は、気まずいまま慧さんが出張に行っちゃって、帰ってくるのが少し怖かったんだよな。まだ付き合う前で慧さんの気持ちがわからなくて、だけどあたしはもう慧さんのこと好きになってて、そのまま同居解消されたらどうしようって不安で……。まさかそこから慧さんにこんなに好きになってもらえて、今こんな風にいれるなんてあの頃のあたしから思えば夢みたいだな。あの頃のあたしはなんか必死で全力だった感があるけど、今はなんか不思議と心に余裕を持ててる自分がいる。この出張で、一人で慧さんを待っていたからこそ生まれた感情だったり強さだったり。不安で寂しかったのも確かだけど、でもその分、慧さんの大切さや慧さんへの想いをまた強く感じることが出来た。だから、あたしにとっては少し自分自身、成長出来た意味ある時間だったように思える。あ~慧さんまだ出張から帰ってこないのに、こんな風に考えてたらまたもっと会いたくなってきちゃったよ~。会いたすぎて、家帰ったらまた前みたいに慧さんいたりしないかな、なんて都合のいいことを考えてしまうほどに。でも今は前と違って付き合ってるから、帰ってくる時ちゃんと連絡くれるだろうし、さすがに今回もなんて都合良すぎか。と、都合のいい期待をしているだけでも、なんだか今はそれだけでも幸せな気持ち

  • おいしい契約恋愛   297.彼のために出来ること⑧

    「でも、本村さんや藤代さんのことは、きっと慧さんは信頼されてますよね?」「あぁ。そこは唯一ね。オレらは付き合い長いし、あいつの全部わかってるから」「ですよね」「だけど、オレら以外は、基本心開こうとしなかったやつだから。でも、君は出会った時から、他の人とは全然違ったから」「最初にってことですか?」「そう。君は自然と慧の中にスッと入ってきてくれたからね。そういうことも感じる暇なく、気になる存在だったんじゃないかな」「だったら嬉しいです……」だとすれば、あたしもあたしのままでよかったんだと思える。出会い方は、ちょっと変わった出会い方や始まり方だったけど、でもだからこそ慧さんと今あたしはこうやって一緒にいれるのかもしれない。「だから。いつか。きっとあいつからそういう自分の弱いところも君に見せる日が来ると思うから、その時まで待っててやってくれないかな?」「はい」「で。その時が来たら、君のペースでいいから、ちゃんと慧と向き合って、あいつと向き合ってやってほしい」「わかりました」多分、その時が来たら、あたしは今のままで慧さんと向き合うだけだ。取り繕った言葉や表情とか行動とか、そういうのはきっと必要ないから。自然な今の自分で、その時の慧さんを受け止めたいって、そう思う。「まぁ、オレ的にはその記事で、今更慧が瑞希とのこと言われるのはちょっと癪なんだけどね」「あっ、そうですよね」「っていうかオレも瑞希を傷つけるやつは誰であっても絶対許さないから」本村さんは、隣に瑞希さんがいるにも関わらず、堂々と男らしくそう宣言する。「柾弥……」そして隣でそんな本村さんの言葉に感動して嬉しそうにしている藤代さん。「まぁ、その辺りも含めて、このまにしておくつもりはないから。瑞希も安心してたらいいよ。ちゃんとオレが守ってやるから」隣の藤代さんに優しく微笑みながら、男らしいそんな胸ときめく言葉をかける本村さん。本村さんホントに藤代さんが好きなんだなぁ~。思わず今の告白聞いて、胸がキュンとしちゃったよ。「ありがとう。柾弥……」そして安心したかのような微笑みで本村さんに返す藤代さんを見て、やっぱり藤代さんも少なからず不安はあったんだろうなと感じる。きっと今の藤代さんを見れば、本村さんを好きなのはどう見たって間違いないし、そんな人がいるのに違う人と熱愛してい

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    「なら、もしかしたら君は慧の力になれるかもしれないね」「あたしが慧さんの力になれることなんてあるんでしょうか……?」「うん。ただ、この先、慧のどんなことを知っても幻滅せず、あいつ自身を信じて見てやってほしいってことはお願いしたいかな」「はい。約束します」「でも、無理なら君が無理することないからね。だけど、君なら慧を救ってやれるんじゃないかって、オレは思ってる」「あたしが慧さんを……?」「多分。まだあいつ、自分の一番弱いところ、君にはまだ見せてないんじゃない?」「はい……。慧さんは、そういうところ、まだ見せてくれないです……」やっぱりそうなんだ。やっぱりそういう部分を抱えているんだ。「あたしはまだそこまで信頼されてないってことでしょうか……」多分、その弱いところを、本村さんも藤代さんも知っている。だけど、あたしはまだ教えてくれないし、見せてもくれていない。それは、そういうことなのだろうか……。「いや。多分、あいつは、怖いんだと思う」「怖い……?」「そう。君に知られて、君がそんな慧を知って離れていくのが怖いんだよ」「そんな……! あたしはそんなことで離れなんてしないです!」何を抱えてるのかはわからないけど、あたしはどんなことを知っても離れない自信がある。「うん。そうは思ってても、多分今の君との時間が幸せで、君を好きだからこそ手放したくなくて、出来るだけ君が好きでいてくれる自分であり続けたいんだと思う」「あたしの好きな慧さん……ですか?」「そう。多分、君が憧れてる神城慧でい続けたいんだよ。社長で大人で尊敬出来る男として。そして、カッコいい頼りがいある君を守れる存在としていれることを、きっとあいつ自身も望んでいるだろうから」「確かに……。あたしはそういう慧さんに憧れて好きだというのもありますけど。だけど、それだけで、カッコいい部分だけで、慧さんを好きなわけじゃないです。あたしは弱いカッコ悪い慧さんの姿も知りたいです。支えたいです」「そっか……。うん。ありがとう。君なら、きっとそう思ってくれるんじゃないかとは思ってた」「えっ……?」「慧が君を本気で好きになった時点で、君はきっと慧のそういう存在になってくれるような気がしてたから」「本村さん……」「君以外は、慧の上辺しか見てこなかったからね。だから、そうじゃない慧を知ると裏

  • おいしい契約恋愛   295.彼のために出来ること⑥

    「で。君は今、どんな感じ?」「え?」「今騒がれてる慧の報道について」すると、ストレートに本村さんがあたしに尋ねる。「やっぱり本村さん、ご存知なんですね……」「まぁ。オレは秘書的立場でもあるから、慧や会社の情報や評判については、常にチェックはしてるよ」「ですよね……」「あの……。慧さん……、あっ、社長は、そのことは知ってるんですか?」「ここでは社長じゃなくていいよ。いつもの呼び方で大丈夫」「あっ、はい」「あいつは、まだ知らないんじゃないかな。オレもちょうどこっち帰ってきた時にこの記事が上がったから」「あっ、そうなんですね……」「元々忙しくて、仕事以外の余計な情報は入れないやつだから、まだ知らない可能性のが高い。今シンガポールでの仕事も忙しくいろいろ考えることも多いし、オレもあえて無駄で余計な情報はあいつに知らせてはいない」「そっか……。なら少し安心しました」よかった……。慧さんが知ったらどんな影響があるかちょっと怖かったから。ホントはこのまま知らない方が安心だけど、だけど、どうしても知ってしまうことになるなら、せめて今の仕事が落ち着いてからであってほしい。慧さんの精神的にも仕事的にも、出来るだけ影響せず負担がかからない時であってほしい。「もしあんな記事で、慧さんが気にして仕事に影響出ちゃったらどうしようかと思ってたんで……。そしたら慧さんはそれを気にせず今大丈夫だってことですよね?」「あぁ。それは大丈夫。仕事は順調に進んで、かなり手応えあるって嬉しそうな連絡あったから」「そうなんですねー! あぁ、よかった~! なら、このまま慧さんがこの記事知らなければいいのにな……」慧さんがまだ知らないことと仕事が順調なことを聞いて安堵する。だけど、ホントにそのまま知らずにいる方法はないかと考えてしまう。「君は、こんな時でも慧の心配をするんだね」「えっ?」すると、そんなあたしを見て本村さんがそう声をかけてくる。「そりゃ慧さんが安心して今の仕事に集中出来るのが一番ですから」「じゃあ、その記事については、君はまだ慧に連絡はしてないの?」「もちろんですよ! そんなの聞こうとも思ってないです!」「それは、なんで? 気にならないの? 不安じゃない? 慧から何も聞けなくて」すると、あたしの何か違う言葉を引き出したいのか試したいのか、本村

  • おいしい契約恋愛   128.親友への報告⑤

    「それで結構話し込んでたら時間遅くなって、逢沢をついでに自宅まで送ろうとしてた途中で、急に泊まるとこ探さなきゃいけないってなって」「あたし、お姉ちゃんと一緒に住んでたでしょ?」「あぁ、うん」「元々そこ住んでたお姉ちゃんの彼氏がその日急遽帰ってきて、その日にもう家追い出されちゃって」「えっ、何それ!?」「それで困ってたところ、社長が家泊めてくれて」「あ~。そうなんだ。そういう流れなんだ? でも、社長がそのまま依那を泊めたっていうのがビックリですけど……」「あっ、誤解しないでほしいんだけど、男女の関係になったとかそういうのは一切ないから」「あっ、そうなんですね。そういう流れだと、

    last updateDernière mise à jour : 2026-03-27
  • おいしい契約恋愛   127.親友への報告④

    「えっ!? どういうことですか!?」「偶然、ある店で逢沢と出会ったことで、オレが逢沢にあることを頼んだんだよね」「頼んだ?」「あのね、桜子。あたしが前から勉強のために、うちの会社がプロデュースした店いろいろ巡ってたの知ってるでしょ?」「あぁ~。依那、夢叶えるために、いろいろ巡って勉強してるもんね。あたしも何件か一緒に行ったこともあるし」「そう。その勉強でね。行ったお店で、たまたま社長と出会って」「そうなんだ? まぁ、確かに会社でプロデュースしてるお店に行ってたら、会ってもおかしくはないか」「その時にさ、たまたまいた逢沢に。オレから声かけた」「社長からですか!? よく依那だって

    last updateDernière mise à jour : 2026-03-27
  • おいしい契約恋愛   124.親友への報告①

    そして次の日。「あのさぁ、桜子。今日ご飯行く前にちょっと話したいことあるんだけど」「ん? そのまま ご飯行けば良くない?」「ん~。それはちょっと~。とりあえずご飯食べる前に、落ち着いて話しておきたいっていうか」「何それ。食べに行く時間遅くならない?」「あっ、それは予約してあるから大丈夫」「あっ、予約してくれてるんだ? なんかよくわかんないけど、まぁ話聞くよ」そう言って、社長と待ち合わせの時間までに、桜子をカフェに引っ張っていくことに成功。「で? 改まって話って何?」「あのさぁ。いきなり、なんだけど。あたし、好きな人出来た」「ん? 琉偉くんでしょ?」「いや、琉偉は推し。好

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  • おいしい契約恋愛   126.親友への報告③

    それから、飲み物や少しずつ食事が来て少し落ち着いた頃に。「さっ。話。始めようか」社長が口を開いた。「驚かせて悪かったな、河野」「いえ……。でも、すいません。まったく状況が把握出来なくて……」「うん。そうだろうな。ホントは逢沢が事前に話してればこんな戸惑うこともなかったんだろうけど、そこはオレに気を遣って逢沢が誰にも話さないでいてくれたから」「あっ、そうだったんですね……」「だけど。親友の河野には、ちゃんと全部話しておきたいからって逢沢に相談されて。お前らの間に行き違いや勘違いが生じないように、ちゃんとオレからも状況説明する必要があると思ったから、今回オレらも同席させてもらった」

    last updateDernière mise à jour : 2026-03-27
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