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第3話

مؤلف: 由由
双葉はチャリティー晩餐会への参加を断ろうとしたが、悠真にあっさりと却下された。

宴の前夜、彼に連れられて、彼女はメイクスタジオを訪れた。

化粧台の前に座った双葉は、不安げに鏡を見つめた。火傷を負ってから、初めて鏡を見るのだった。

全身の70%が火傷。鏡の中に映る肌は、見るに耐えないほどで、顔にも焼け跡がはっきりと残っている。

かつての純粋無垢な双葉は、あの火事とともに消え去り、今そこにいるのは、どこかよそよそしく、冷たい表情を浮かべる別人だった。

化粧師は彼女の傷跡をじっと見つめたあと、顔色をさっと変え、そのままトイレに駆け込んで吐いてしまった。

「うちって、高級メイクスタジオじゃなかった?なんでこんな人連れてくるのよ。

この肌、マジで無理……昨日のごはん全部戻しそう」

その言葉は、はっきりと双葉の耳に届いた。彼女は鏡の中の自分の傷跡を、何度も見つめ直した。

傷は、まるで根を張るように全身に広がり、治りきっていない部分からは血がにじんでいた。化粧師の言うとおり、確かに目を背けたくなるほどだった。

彼女は鏡に向かって、ひとり苦笑し、立ち上がろうとしたが、悠真が彼女の肩を掴み、強く椅子へ押し戻した。

「お前ら、よくもそんな言葉を言えたな?」

その声は鋭く、氷のように冷たかった。

「これがお客様への対応か?『京栄市一の化粧師』の看板、そろそろ降ろすべきだな」

店長が慌てて化粧師の腕を引っ張り、謝罪させた。

「薄井社長、本当に申し訳ございません。ご同伴の方がそれほど大切なお客様とは、全く知りませんでした……誠心誠意、対応させていただきます」

悠真は鼻で笑った。「化粧、できるんだろうな?」

店長が肘で化粧師を小突くと、ようやく我に返った化粧師は、すぐさま深々と頭を下げた。

「はい、全力でやらせていただきます……」

悠真が口を出してからというもの、化粧師は何も言わず、黙々と手を動かし始めた。

彼は後ろの席でじっと見守っていたが、どこか落ち着かなかった。

化粧師は目立つ傷跡に分厚くコンシーラーを重ね、その上から何度もファンデーションを塗り直していく。ようやく、人前に出られる程度にまで仕上がった。

その姿を見つめ、悠真は呆然となり、回し続けたペンもいつの間にか止まっていた。自分でも気づかないうちに、思考は彼女に奪われていた。

どうしても、あの日の双葉の姿が脳裏から離れなかった。

火の中に、何の迷いもなく飛び込んでいった双葉の姿。

自分が死んだと聞かされた彼女は、ほんの一瞬のためらいもなく命を投げ出した。それほど、この世に未練がなかったということだろうか。

彼女の全身に刻まれた傷跡は、いつしか彼の心にまで痛みを与えるようになっていた。

手の中でペンを回し続けることだけが、かろうじて平静を保つ術だった。

彼が好きなのは希子だった。ただ、復讐のために双葉と一緒にいただけだった。

それなのになぜ、こんなにも胸が痛むのか。

気づけばメイクはすでに完成していた。鏡の中の双葉は、かつてのようなやさしく美しい顔を取り戻していた。

思わず、悠真は口を開いた。

「……綺麗」

双葉は鏡を見つめながらも、心の奥には虚しさが広がっていた。

目元には、微笑みすら浮かんでいなかった。「残念ね。全部、偽りに過ぎないわ」

その言葉に、彼は何も言い返せなかった。代わりに黙ってしゃがみ込み、彼女の靴先を拭いた。

「靴が汚れてる」

その光景を見た店長は、思わずつぶやいた。

「薄井社長って、本当に理想の男性ですね……こんなにも彼女を大切にされて。双葉さん、本当にお幸せですね」

その言葉を聞いた悠真は、不自然に動きを止めた。数秒の間、何もできずにいた。

やがて黙って立ち上がり、手に持っていたティッシュをゴミ箱に放り込むと、眉をひそめ、双葉の目をまっすぐ見ることができなかった。

彼女は、そんな彼を横目で冷ややかに見つめている。

先ほどの擁護、そして靴を拭く仕草、どれも演技にしか見えなかった。

こんな薄っぺらな「優しさ」なんて、もう必要ない。

そのとき、悠真は珍しく手を差し伸べた。

「もう行こう。晩餐会はすぐに始まる。今行かないと間に合わない」

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