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第6話

Auteur: 木易 春
朝香はようやく悟った――由紀はだまされていたのだ。

祈人がエレベーターに閉じ込められているなんて、最初から嘘だった。

唯一の救いは、アシスタントの由紀が外で助けを呼んでくれるはずだということだった。

だが次の瞬間、外から由紀のうめき声が何度か響き――それきり、ぴたりと音が途絶えた。

辺りは死んだような静寂に包まれ、朝香は力なく壁にもたれかかった。

朝香は力なく壁にもたれかかる。

頭がぼうっと熱く、視界は暗く霞む。

全身が冷え切り、膝ががくがくと震えて、思うように動けない。

深夜の霊安室には、言葉にできないほどの不気味な気配が漂う。

闇の中から無数の目が自分を見ているような錯覚に襲われ、腐敗した遺体の臭いに、胃がひっくり返る思いがする。

冷たい風が何度も吹き抜け、どこかからかすかな声のようなものまで聞こえてくる。

心臓が激しく波打ち、神経は張り詰めた糸のようになっていた。

どれほど時間が過ぎたかわからない。

まるで永遠のように感じたそのとき――微かに誰かの呼ぶ声が届いた。

「朝香、地下二階にいるのか?」

祈人の声だ!

思わず心臓が跳ね上がり、朝香は叫びそうになるのを慌てて口を押さえた。

ほとんど泣き声で、切羽詰まった声を絞り出す。

「祈人、私はここ!早く助けて!」

これほど必死に、祈人にそばに来てほしいと願ったことはなかった。

祈人が自分の声を聞いたのは間違いない。

だが、扉の方へ駆け寄ろうとした祈人は、突然現れた夜音の声に足を止められる。

「祈人さん、何してるの?

今日の撮影、すごく大事なシーンなのよ。

今すぐメイクに行かないと間に合わなくなるわ」

扉の隙間から、祈人が夜音の手を強く振り払うのが見えた。

「朝香がまだ中にいる。俺はまず彼女を助ける」

まぶたが重く、意識も遠のきそうになったが、その一言で朝香は少しだけ楽になった。

喉が焼けつくように渇き、しゃがれ声で必死に叫ぶ。

「祈人、私はここ!ここにいる!」

二十歩、十歩――祈人が近づいてくる。

あと五歩。朝香の胸に、不思議な安堵の気持ちが湧き上がった。

――しかし、夜音はしなやかに祈人の腰に腕を絡め、ささやきかける。

「祈人さん、本当にそれでいいの?

アシスタントひとりのために、監督を怒らせる気?

せっかく苦労して手に入れた今のポジション、こんなことで全部失うつもり?」

その数言で、祈人の足が止まった。

夜音の迫力と誘惑に、祈人の意志は揺らぎ始める。

「ねえ、私があとで矢野マネージャーに頼んでおくから、朝香さんは任せて。

今は一緒に行こうよ」

夜音の黒い瞳が、みじめな朝香を見下ろし、皮肉げに笑っている。

祈人はしばらく迷った末、苦しそうな目で朝香を見やりながらも、結局夜音に手を引かれ、朝香のいる方とは反対の出口へと消えていった。

けれど、朝香はもう、深くは失望しなかった。

ただ、祈人を呼ぶ声がだんだん小さくなっていき、最後にはただの独り言のようになった。

その週末、朝香と祈人が交わした言葉は、片手で数えられるほどしかなかった。

朝香の変化に気づいた祈人は、気まずそうに鼻をさすりながら口を開く。

「朝香、本当に助けたかったんだ。

でも、現場じゃ俺の一存でどうにもできないこともある。

もし俺が監督に嫌われて、この仕事を失ったら……朝香だって、俺を責めるだろ?」

滑稽のあまり、思わず笑ってしまった。

朝香は、祈人の泳ぐ視線をまっすぐに受け止めて言った。

「それが、夜音さんが私をまた丸一日閉じ込めたことへの言い訳?」

もしアシスタントの由紀が、こっそり食べ物や薬を差し入れてくれなかったら――

いまごろ朝香はどうなっていたかわからない。

「祈人、私が本当に必要としていたとき、あなたはそこにいなかった。

だから、これからは――もう、来なくていい」
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