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第5話

Author: 小島 遥
麻帆が問い詰めている意味に、ようやく気づいた。

「ああ、そのことか。採用の連絡が来たとき、麻帆は圭吾と年越ししてただろ。邪魔したら悪いと思って、連絡しなかった」

自分でも驚くほど、他人事みたいな口調だった。

麻帆は気まずそうに一度目をそらした。それでも俺の手をつかんだまま言った。

「それでも、私はあなたの彼女なのに……どうして私には何も言ってくれなかったの?」

少し意外だった。

以前の俺は、どんな小さなことでも麻帆に話していた。

けれど、そのたびに返ってきた言葉は同じだった。

「あなたの話には興味ない。どうでもいいことをいちいち送らないで。通知が増えて迷惑だから」

麻帆は小さく息を吐いた。

しばらく黙ったあと、聞いてきた。

「それで、どのくらい行くの?」

少し迷って、結局うそをついた。

「1年くらいだと思う」

もともと、麻帆に知らせるつもりはなかった。

今夜知られたのは、ただの偶然だ。

「そんなに長いの?」

俺は答えなかった。

少し間を置いて、麻帆が言った。

「食事が終わったら、一緒に帰ろう」

断ろうとした、そのときだった。

圭吾が店の奥から出
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