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第253話

Penulis: ラクオン
梨花は、目覚めたばかりの時の、家の薄暗い空気が好きではない。

不安な気持ちにさせられるからだ。

彼女は煌々とした明かりが好きで、そして隅々まで明るいのが好きだ。

だが、どうせここはもう自分の家ではない。

梨花は階下へと急いだ。

「梨花」

最後の一段に足をかけた時、リビングの方から一真の、とても穏やかな声が聞こえた。

梨花は、その声がいつもとは違うことにかすかに気づいていた。

彼女には判別できない感情がその声に混じっているような気がした。

声のした方を見ると、男は静かにソファに腰掛けていた。

その琥珀色の瞳の光は弱々しく砕け、彼自身もどこか寂しげで、打ちひしがれているように見えた。

だが、梨花と視線が合うと、その瞳は途端に優しく、きらきらと輝いた。

一真は立ち上がり、長い足で彼女に歩み寄った。

一晩寝ていないせいか、その声は少し掠れていた。

「腹が減っただろ。何か食べてから行こう」

そう言いながら、男の視線は下を向き、彼女の胃のあたりを押さえている手に注がれていた。

「わかったわ」

梨花は確かに空腹で気分が悪く、わざと自分の体をいじめたいとは思わなかった
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