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第275話

Author: ラクオン
梨花だけでなく、菜々子も一瞬言葉を失った。

篤子がまさか自分に竜也を説得させて、この結婚を承諾させようとするとは。

梨花は分からないふりをした。

「ご結婚のような大事なことは、お祖母様がご心配なさるべきことです。

年下ですし、私からこの話を持ち出すのは、あまり相応しくないかと思います」

竜也の性格からして、彼が結婚したくない相手を、誰かが無理に押し付けることなどできはしない。

ましてや梨花は、篤子がもはや打つ手がなくて自分を頼ってきたのだということがはっきりと分かっていた。

つまり、竜也がすでにきっぱりと断ったということだ。

自分もわざわざそんな厄介事に首を突っ込むはずがない。

篤子はその濁った目をわずかに細め、顔に浮かんだ不快感を隠そうともせず、冷笑した。

「今後ろ盾ができて、強気になったのかしら?長年、あなたを育ててきたというのに……」

「お祖母様」

梨花も、今この場で篤子と事を荒立て、面倒事を増やしたくはなかった。

口調を和らげ、真剣な、それでいてどうしようもないといった様子で口を開いた。

「兄さんとの関係は、確かに数年前に比べれば少しはよくなりました
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