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第 13 話

作者: 水沼早紀
last update 最終更新日: 2025-03-13 13:54:03
そりゃ、連絡が来たら嬉しいけど……。

「大丈夫よ。森嶋さんは、実来のことちゃんと愛してくれるから」

「べつに、そんな心配してないよ。ただ……」

「ただ?」

「森嶋さん、お仕事忙しくてなかなか会えないから、なんだか寂しいなって……」

「寂しいなら、素直に寂しいって言えばいいのよ」

「でも、お仕事忙しいから……」

「そんなの関係ない。寂しい時こそ、好きな人の声を聞くのはいいことよ」

「う、うん……」

確かに、森嶋さんの声を聞くとなんだか安心する。

「お腹に赤ちゃんを抱えてるんだから、辛い時は遠慮なく森嶋さんに頼りなよ。 赤ちゃんの、父親なんだからさ」

「う、うん。 今日、電話してみようかな……」

「うん。電話してみなよ」

「うん。ありがとう、彩花」

「何言ってんの。あたしたち、親友でしょ」

「うん。ありがとう」

わたしはその日の夜、森嶋さんに思い切って電話してみることにした。

「もしもし、実来か? どうした……?」

「あ、あの……突然、ごめんなさい。 今、忙しいですか?」

「いや、仕事終わったところだから、大丈夫」

「よかった……」

やっぱり森嶋さんの声を聞くと、安心する。

「どうした。何かあったのか?」

「いえ……ただ、声が聞きたくて、森嶋さんの」

それを聞いた森嶋さんは、電話越しに「そんなことを言うなんて、可愛いな実来は」と言ってくる。

「えっ……?」

「いや、嬉しいよ。ちょうど俺も、実来の声が聞きたいと思ってたんだ」

「えっ……本当、ですか?」

「本当だよ。今日は商談がうまく行ったから、その報告もしたくてさ」

「そうだったんですね。おめでとうございます」

「ありがとう。実来のおかげだよ」

「え……?」

わたしは、何もしていないのに……感謝されることなんて何もない。

「実来が応援してくれたから、俺は頑張れるんだよ。あと、お腹の子のために」

「……森嶋さん」

「好きだよ、実来。いつもありがとう」

「わたしも、大好きです。森嶋さんのこと……わたしこそ、いつもありがとうございます」

森嶋さんの声を聞くだけで、わたしはまた頑張れるし、森嶋さんがいるから、こうやって幸せだと感じる。

ありがとう、森嶋さん。

「それより、体は大丈夫か? 辛くないか?」

「はい。大丈夫です」

「そっか。あんまりムリ
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