主人公である実来(みくる)は、ある夏の暑い日に大学へ向かう途中満員電車の中で痴漢被害にあってしまう。 声も出せずにいると、そこに居合わせた男性が痴漢から助けてくれる。 京介にお礼がしたいと伝えた実来は、その男性と夜に濃密で甘い夜を過ごし、身体を何度も重ね合う。 実来はそんな名前も知らない彼と身体を重ねることに気持ちよさを覚えてしまったが、真夜中にたった一夜だけの関係を終えるとそっとホテルを出る。 しかしそれからしばらくが経った頃、実来は体調に異変を感じるようになり病院へ行く。そこで実来は、妊娠していることが発覚する。 実来は助けてくれた彼と再び連絡を取ると、あの日の夜で妊娠したことを告げる。
もっと見る✱ ✱ ✱「ただいま〜」 「おかえりなさーい」「ぱぱ、おかえりー!」 夜になって京介が帰ってくると、木葉は真っ先にパパの元へ駆け寄っていく。「おー木葉! ただいま」「ぱぱ、あそぼっ!」「木葉、パパお仕事で疲れてるから明日にしなさい」 そう言ったのだけど、優しい京介は「いいよ、実来。 よし、じゃあご飯食べたらパパと遊ぼうか、木葉!」と木葉を抱き上げる。「わー! やったあ!ぱぱだいすき!」「パパも木葉のこと大好きだぞ!」 京介ってば、木葉にデレデレなんだから。 「よし、じゃあご飯にしようね」「はーい!」「じゃあ着替えてくるな」「うん」 京介が着替えている間に夕食を
「木葉ー、準備出来た?」「うん! まま、できたっ!」「よし、じゃあ保育園行こっか」 木葉が産まれてから、早くも三年が経った。あんなに小さかった木葉も、今でも言葉も話せるようになり、日々子供の成長というのを実感している。 木葉も保育園ではお友達も出来たみたいで、今は保育園に行くのが楽しいみたいだ。 毎日保育園に行くことをとても楽しみにしている。 母としてはそれはとても嬉しいことで、木葉にお友達が出来ることもそうだし、毎日少しずつ出来ることが増えていくことも親としてはやっぱり嬉しい。 京介とも日々そんな話をしているのだけど、京介は木葉のことが本当に好きみたいで、毎日仕事から帰ると木葉
京介は夫婦なんだから気にするなと言ってくれるから、なんだかそれだけで安心感がある。 京介と木葉がお風呂に入ってる間に、わたしは次の日の京介のお弁当の用意を始める。 栄養のバランスをしっかりと考えて、野菜もしっかり食べてほしいから、ブロッコリーやほうれん草の胡麻和えなども作って詰めていく。 京介はいつも美味しく残さずに食べてくれるから、お弁当を作るのが楽しくなる。 京介はフルーツも好きだから、フルーツも切って別の容器に入れておいた。「……よし、出来た」 後は明日の朝に、おにぎりを作るだけ。 中身は鮭と昆布にしようかな? 京介は鮭のおにぎりが特に好きだから。 お弁当を作
✱ ✱ ✱「京介、ご飯出来たよ」 「ああ、ありがとう実来」「うん。温かいうちに、食べよう」「ああ、そうだな」「「いただきます」」 新しい新居に住み始めてから、およそ半年が経ったけど、わたしたちは仲良く子育てにバタバタしながら過ごしている。 わたしたちの子供は二人で名前を決めて、【木葉(このは)】と命名した。 植物の生命力のように力強く成長してほしいと願って、木葉と名付けた。 木葉はとても元気で、よく笑う子で、笑った顔がとても可愛い子だ。 自分たちの子がこんなにも可愛くて愛おしいだなんて、産まれてからもっと気づいた。 木葉はパパが大好きで、結構京介に懐いてる感
京介の言葉を借りるなら、わたしも京介の喜ぶ顔がもっと見たいし、京介のいろんな顔をこれからも見たいと思ってる。「これからもどうぞ、よろしくな。 父親として未塾な俺だけど、子育て一緒に頑張ろうな」「うん。こちらこそ、よろしくね」 京介とこうして過ごす日々は、これからもっと愛おしくなる。そんな日々を毎日、きっと宝物になる。「俺、実来に頼りっぱなしになってしまうかもしれないけど、俺に出来ることがあれば何でも言ってくれ」「うん、ありがとう」「俺は実来のことをずっと支えていきたいし、ずっとそばで守っていきたい。もちろん、子供のことも守っていくよ。……俺たちは、三人で家族だからな」 そう、わた
「し、シルク……!?」 ウソ!シルク……!? わたしがずっと、憧れだった、あのシルク……!? え、やばい。嬉しすぎるっ! 「パジャマも今回、お揃いにしたよ。 ちなみに、これもシルクのパジャマだ」 え、パジャマまでシルク!? ヤバイっ!「パジャマまでシルクにしてくれたの?」「そうだ。テンション上がるだろ?」「うん。もう上がりまくってるよ〜」 京介とお揃いのシルクのパジャマが本当に嬉しくて、京介の妻で良かったと思える。「ベビーベッドがここに置こう。 夜泣きしても大丈夫なようにしたいなって思ってさ」「ありがとう〜京介」 京介の優しさに本当に救われる。「俺はただ、実来がやりや
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