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第13話

モリサマー
紬は胸元に押し付けられた日記帳に視線を落とした。

表紙の桜の花は美しかった。

初めて蒼介に出会った日、彼の背後で燃えるように咲き誇っていたあの桜の木を思い出させた。

「これだけの年月をかけてきたんだもの、確かにここで手放すのは惜しいかもしれないわね」

彼女は顔を上げ、その眼差しは少しずつ確固たるものへと変わっていった。

「でも、ここで手放さなかったら、あの頃の純粋で勇敢だった自分の想いを裏切ることになるじゃない」

蒼介は眉をひそめ、彼の眉骨を伝って冷たい雨水が滴り落ちた。

「どういう意味だ?」

紬は彼を見つめ、静かに微笑んだ。

「あの女の子は、何年もあなたのことを愛し続けていた。

あなたを愛していたから、必死に勉強して、あなたと同じ学校に入ろうとした。

あなたを愛していたから、服のコーディネートやメイクを一生懸命勉強した。廊下であなたとすれ違う時に、少しでもマシな姿でいられるように。

大人になってからも、あなたを愛していたから、死に物狂いで仕事に打ち込んだ。もっと高い場所へ登り、もっと遠くへ行けば、あなたに相応しい人間になれると信じていたから。

でも今、あなた
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