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第172話

Author: Raisaa
つい先ほどまでここで大見得を切っていたヴィヴィエンヌは、優雅に立ち上がり、サラに向かって微笑みかけた。

サラは、ヴィヴィエンヌが歩き去るのをただ見つめることしかできなかった。私の金はどこにあるのか、と聞きたかった。

しかし、ヴィヴィエンヌのメイドが近づいてきて、エレガントな黒い箱をテーブルの上に置いた。

その箱の重みが、彼女の疑問に即座に答えていた。

サラが小さく頷くと、メイドは一言も発することなく立ち去った。

サラの体は粟立った。

彼女はよく分かっていた。この箱を開けた瞬間から、もう後戻りはできないのだと。

一方、ヴィヴィエンヌがカフェの外に出ると、朝の陽光が彼女の金髪に反射した。しかし、道端の木陰に立つ人影を見た瞬間、彼女の足は止まった。

ラファエルだった。

「私をつけてきたの?」

ヴィヴィエンヌは尋ねた。その声は明らかに不機嫌だった。

「俺はただ……お前に何かあったらと心配で」

ラファエルは低く答えた。

ヴィヴィエンヌは、その言葉にうんざりしたかのように長いため息をついた。

「私の望み通りに動く気がないなら、大人しく帰った方がよくてよ」

ラファエルは
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