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・Chapter(47) やっぱり、覚えてませんか

last update Dernière mise à jour: 2025-07-27 21:49:19

青白い鮮烈な光が、閉じた瞼《まぶた》の隙間から突如瑞穂の網膜《もうまく》に飛び込んできた。

驚いた瑞穂は、ゆっくりと目を開ける

すると、自宅の白いクロス貼りではなく見慣れない竿縁天井《さおぶちてんじょう》が、広げられた翼のように視界一面に広がっていた。

──ここ、ドコ?

確かアタシ、古田さんと一緒に焼鳥屋で一杯やっていたハズだよね。

自身を取り巻いていた突然の環境の変化に、瑞穂は戸惑いを覚えるのみであった。

「起きて下さい」

その時、独り暮らし、であるというのにも関わらず、自身を呼ぶ声が聞こえてくる。

「えっ、えっ?」

睡魔と頭痛により、意識がまだハッキリしない瑞穂は、おそるおそる声が聞こえてきた方角に目を向けた。

古田が立っていた。

寝間着なのか、UNIQLOなどファストファッションブランドと思われるフリースとジャージを古田は着ていた。

「会社に遅れますよ」

古田は呆れ顔で、布団に入っている瑞穂を揺り起こす。

「えっと。いや、ちょっと待って。

これ、どういう……」

身体を起こした瑞穂は、すぐさま自身の身体をチェックした。

ブラウス、タイトスカート、ストッキング。

全部、そのままだ。

下着も外された形跡はない。

一つだけ変化があるとすれば、防寒の為なのか、色褪せてロゴが剥げかけている「ハードロックカフェ」のトレーナーが、ブラウスの上から重ね着させられていた。

「心配しなくても、一切何もしていませんよ」

渋面で古田がドアを開けると、真冬の寒風が暖を求めるカラスのように部屋に入り込んできた。

「いや、それはともかく、ここはドコ。

古田さんの家?

ってか、なんでアタシ。

古田さんの家に来てるの?」

「……やっぱり、覚えてませんか」

古田は肩をすくめると、ため息をついた。

「後で全部、説明しますよ。

なんか、まだ寝ぼけてるっぽいですから、その状態じゃ説明しても多分理解出来ないかもしれない」

述べ終えた古田は、部屋から出ていく。

「あっ、電気切っておいてください。

あと、部屋を出たらすぐ階段があるので気をつけて」

古田は再び顔を出し瑞穂に告げると、ドアを閉め、タンタンと階段を踏みしめる音を部屋内に鳴り響かせながら、階下へと降りていった。

·

未だ状況が把握出来ていない瑞穂は、頭痛と睡魔によってかすんでいる意識を少しでも覚醒させる為、身体の筋を大きく伸ばした。

そして、今現在
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