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・Chapter(3) 古田電器の古田です。

ผู้เขียน: 羽馬タケル
last update ปรับปรุงล่าสุด: 2025-06-18 20:07:37

電器屋は瑞穂らが思っていた以上早く、マンションへとやって来た。

道にさほど迷わなかったのか、瑞穂がマンションに帰宅するとほぼ同時に、和田マネージャーのスマートフォンに、「もう、近くまで来ている」という電話があったのだ。

「角に、ガソリンスタンドがあっただろ?

そこを右に曲がったら、一階に美容院が入ってるマンションがあるから……」

淀みない口調で電器屋をナビゲートする和田マネージャーのその様は、瑞穂に改めて胸の高鳴りを覚えさせた。

「失礼します」

11時前、和田マネージャーに連れ添われる形でやって来た電器屋は、アコースティックベースのような低い声で言った。

良く言えば、クール。

悪く言えば、どこか無愛想。

それが、電器屋に対して、瑞穂が最初に抱いた第一印象であった。

汗を防ぐ為なのか、頭に巻かれたタオル。

タレ目、ところどころに見られる無精髭。

全身から発せられる、男の匂い。

黒いTシャツの上に水色の作業着と、いわゆる「ガテン系」と呼ばれる風貌に身を包んだ電器屋は、壁の上部に備え付けられたエアコンに目をやった後、おもむろに懐へと手を入れた。

「古田電器の古田と言います。よろしくお願いします」

先程の低い声色を保ったまま、電器屋は告げると、取り出した名刺を両手で瑞穂に対して差し出す。

「よろしくお願いします。

スミマセン、急にご無理を言いまして」

瑞穂は名刺を受け取ると、型通りの言葉を電器屋である古田に対して返した。

「コイツ、高畑さんとタメなんだ。同い年。

トシが一緒だから、エアコンに限らず家電で何か困った事があったら、今後相談してみたらいいんじゃない?」

その時、瑞穂と古田のやり取りを見ていた和田マネージャーが、仲人のように親身といった様子で、二人に対して言う。

「そうですね。

じゃあ、また何か困った事があれば、古田さんに相談させてもらいますね」

その和田マネージャーの言葉に瑞穂は、取り敢えず、といった感じの愛想笑いを浮かばせながら、返答をした。

「じゃ、早速ですが、ちょっとエアコンの方を見させてもらいますね」

一方、古田は「我関せず」とばかりに、エアコンに対して一直線に向かうと、真下に養生シートを敷き、自身の任務であるエアコンの点検へと取り掛かる。

·

「あっ、こりゃダメだな……」

エアコンの内部と、分解したベランダの室外機の中身を見た古田は、首をかしげながら部屋へと戻ってきた。

「何がダメなんだ?」

扇風機の真向かいで、瑞穂と二人、送風を浴びていた和田マネージャーは立ち上がると、古田に歩み寄る。

「いや、コンプレッサーがほぼ壊れかけてるんですよ。

あと、高畑さん。

確か水漏れしてる、って言ってましたよね?

水漏れ自体は、ドレンホースの詰まりが原因なんですけど、その水漏れでプリント基板もやられちゃってます。

こりゃ、ちょっと簡単に直せるレベルじゃないですね」

「何とかならないのか?」

和田マネージャーは、重ねて古田に訊く。

「出来ない事はないですけど、部品交換とか修理の費用を考えると、買い換えた方が安いですよ。

もっとも、このエアコンに愛着があって、金はいくらでも出すから直してくれ、って言うのなら、俺も最善を尽くしますが」

「そうか……」

古田の言葉に、和田マネージャーは自分の事のように肩を落とし、うなだれた。

そして、くるりと瑞穂に向き直ると、「ゴメン」という言葉と共に立てた右手を顔の前に添える。

「いえ、こちらこそ」

瑞穂は立ち上がると、しみじみといった様子で、壁に備え付けられているエアコンに目をやった。

「ここに引っ越してから、夏冬ずっと使ってましたからね。

あっという間に、寿命が来たんですね。

こんなに早くに壊れたのは残念ですけど、取り敢えずこのエアコンには『お疲れ様』って、言ってあげたいです。

古田さん、和田マネージャー。

今日はご足労いただき、ありがとうございます」

「いや、こっちも暇だったしね」

和田マネージャーは微笑すると、瑞穂に続く形でエアコンへと目をやる。

「じゃあさ、高畑さん。

修理がダメなら、エアコンを買い換える、って話になると思うんだけど、どうする?

古田電器で、買い換える?

それとも、自分でエアコン本体だけを格安で買って、カツアキに……。

じゃない、古田電器に取り付けてもらう?

多分、普通に家電量販店でエアコンを買って取り付けるよりは、安くなると思うけど」

「いくらくらいに、なるんですかね……」

瑞穂は、エアコンの真下にいる古田と、和田マネージャーを順繰りに見た後、おそるおそるといった感じで切り出した。

「うーん、ワット数にもよりますね」

ここで、電器屋である古田が瑞穂の問いかけを引き取ると、腕組みをしながら続ける。

「設置費にしても、4.0kwを超えたら値段がはね上がるんですよ。

高畑さん、このリビングのエアコンを買い換えるんですよね?

この部屋自体は8畳だから、この部屋だけ冷やすのなら、そんなに高くはならないと思うんですけど、見たトコロ隣の寝室も一緒に冷やしていた、っぽいし……。

あの、高畑さん。

逆に訊きますけど、大体いくらくらいならご用意出来ますか?」

·

「えっ?」

古田の反問に、瑞穂は虚を突かれた格好となり、すぐさま返答する事が出来なかった。

「いくらくらいなら、ご用意出来ますかね?」

古田は、再び同じ質問を繰り返す。

「金額を言ってもらえれば、僕の方も出来うる限り、対応させてもらいますから。

なんてったって、和田さんが勤めている会社の女子社員ですからね。

儲け度外視で動かなきゃ、後で和田さんに何を言われるか分かりませんよ」

「おい、カツアキ。人を鬼みたいに言うな。

高畑さんが聞いたら、誤解するだろが」

ここで、古田の悪態を受け流す事が出来なかった和田マネージャーが、苦笑交じりで突っ込みを入れる。

「実際、鬼だったじゃないですか」

古田は肩をすくめると、同じく苦笑を浮かばせながら、言葉を続けた。

「俺が高校の野球部に入った頃、キャプテンの和田さんをはじめ、三年全員がヤクザに見えて仕方がなかったですよ。

何かミスしたら、速攻でケツバットでしたし、和田さんにしても今みたいに気軽に話し掛けられる雰囲気でもなかったですしね」

「それは、謝るって前も言ったじゃねえかよ。

あの時は俺も若かったし、いい意味でも悪い意味でも殺気立ってたんだよ」

古田の述懐に、和田マネージャーは頭をかくと、所在なさげに立っている瑞穂に再び目をやる。

「ゴメン、高畑さん。

話を戻すけど、いくらくらいなら用意出来そう?

カツアキも、こう言ってるんだ。

思い切って、ふざけた金額を言ってみてもいいと思うよ。

もし、持ち合わせがそんな無い、ってのなら、俺が立て替えてやってもいいからさ」

「優しいー」

親身になって語る、和田マネージャーの言葉に、古田が口笛交じりで突っ込みを入れる。

「茶化すなよ、バカ」

和田マネージャーは古田をたしなめると、再び瑞穂に向き直った。

「えーと、ですね……」

瑞穂は視線を右上にやって沈思を重ねた後、吐いた語句を確認するように、ゆっくりと言葉を述べていった。

「貯金はある事はあるんですけど、突発的な事があった時の為に、少しは残しておきたいんですよね。

それと、来月の末には友達の結婚式がありますし……。

今時、ジューンブライドかよ、って、友達みんなで笑ってたんですけど、中学の時から仲良くしている友達なんで、出ない訳にはいきませんし、額もそれなりに包まなくちゃいけないんですね。

ですから、買い換えとなると、サイアクでも8万以下……。

無理を承知で言いますけど、それくらいに抑えたいんです。

あっ、無理でしたら、エアコンの件はボーナスまで我慢しますから」

「8万か……」

瑞穂の言葉を聞き負えた古田は、腕組みをすると、天を仰いだまま、しばらく動かなくなった。

·

「いけそうなのか?」

焦れてきたのか、和田マネージャーが瑞穂に代わって、銅像のように固まったまま動かなくなっている古田に尋ねる。

「まぁ、出来ない事はないんですけどね……」

古田は天を仰ぐのをやめ、和田マネージャーに視線をやると、眉根を寄せながら答える。

「ウチに、型遅れの在庫が何台かありますし、その金額ならまぁいけます。

ただ、設置費とかエアコンの処分代とか、そんなのを入れると、ちょっと足が出るかな、って思ったんですよ。

さすがに、あまり負けすぎると、オフクロにうるさく言われそうでね……」

「足が出る分、お前が立て替えてやれよ」

和田マネージャーが、即座に突っ込みを入れる。

「ほら、またそんな事を言う」

古田は、すぐさま応酬した。

「負けてやってくれよ、タダとは言わないからさ」

和田マネージャーは古田に歩み寄ると、口元に手をあて、何かを古田に耳打ちした。

「……ったく、そうやって、すぐ人を困らせるんだから」

和田マネージャーからの耳打ちを聞いた古田は、かぶりを振るが、その顔には笑みがこぼれていた。

「高畑さん」

そして、和田マネージャーの後ろで事の成り行きをうかがっている瑞穂に古田は目をやると、笑顔を保ったまま切り出した。

「取り敢えず、8万で何とかしてみます。

設置費もエアコン本体も、全部込みでね。

在庫に関しては、家に帰って調べた後、また連絡させてもらいますね。

ところで、メーカーとか、何か希望はありますかね?

型遅れではあるんですけど、出来る限り高畑さんの期待に応えようとは思いますので」

「あっ、ご連絡をいただいてからでいいです……」

瑞穂は、ぎこちない笑みを浮かばせながら、古田に対して返答をした。

「分かりました」

古田は頷くと、くるりと踵を返し「じゃあ、ちょっとバラした室外機、また組み立てときますね」と、網戸を開け、再びベランダへと出ていく。

「和田マネージャー、一体古田さんに何を言ったんですか?

何か、古田さんを脅迫するような事でも言ったとか」

瑞穂は和田マネージャーに歩み寄ると、難色をしめしていた古田の様子が一変した理由が気になり、問いただしてみた。

「秘密。男同士の話」

しかし、その瑞穂の問い掛けに、和田マネージャーは左目をつむりながら煙に巻くと、ベランダで作業を行っている古田を、興味津々といった様子でしぱらくの間眺めていた。

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