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第14話

Author: 北野 艾
「それはそうと、江崎さんみたいな優秀な人材、しっかり捕まえとけよ。あちこちから狙われてるぞ。うちのゴルフ仲間だと、春日井さんなんて、ずっと前から目を光らせてるしな」

譲の親切心からの忠告にも、柊也の態度は冷ややかで、微塵の疑いもなく言い切った。「あいつが俺以外を選ぶわけがない」

その一言で、譲も自分の心配が杞憂だったのだと思い直した。

この七年間、詩織がどんな風に柊也に尽くしてきたか、友人である自分たちは誰よりもよく見てきたのだ。

四六時中、その瞳にも心にも柊也しか映さず、プライベートな時間さえも捧げてきた女。そんな彼女が、簡単に彼のもとを去るはずがない。

仲間内ではよく、詩織のことを「柊也にどこまでも尻尾を振ってついてくる忠犬」と揶揄していた。それも、たとえ追い払おうとしても、必ず戻ってくる類の、と。

だから、柊也がこれほどまでに自信満々なのも無理はなかった。

「あ、そうだ。京介が江ノ本市に戻ってきたんだ。今夜あたり、久々に集まらないか?」

書類にサインをしていた柊也の手が、一瞬だけ止まる。「……何時からだ」

「八時。いつもの場所で」

「わかった」柊也は短く応じた
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