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第695話

Author: 北野 艾
霜花との再会は、詩織にとって少々面倒なものだった。彼女の人懐っこさは昔と変わらない。良く言えば社交的だが、悪く言えば距離感が近い。

夫の京介に伴われて挨拶に来たかと思うと、そのまま詩織を捕まえて話し込んでしまった。

「詩織さん、また綺麗になったんじゃない?」

「仕事も順調だし、素敵な婚約者までいて羨ましいわあ」

褒め言葉もそこそこに、話題は自然とノロケ話へとシフトしていく。

京介がいかに自分を大切にしてくれているか。自分がまだ若いからという理由で、子供はもう少し待とうと言ってくれていることなど、夫婦円満ぶりを滔々と語り始めた。

他人の家庭事情、それも幸せ自慢に付き合わされるほど退屈なことはない。詩織が内心でうんざりしていたその時、タイミングよくスマートフォンが震えた。

親友のミキからだ。

詩織は救われた思いで、「ごめんなさい、友人を迎えに行かなくちゃ」と霜花に断りを入れ、足早にエントランスへと向かった。

回転ドアを抜けて飛び込んできたのは、空港から直送で駆けつけたミキだった。ドレスアップはしていないものの、その洗練されたカジュアルな装いは、隠しきれない女優オーラを放っ
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