Share

第1263話

Penulis: リンフェイ
元夫である俊介が離婚してからというもの、不幸続きであるということは唯月には関係のない話であった。

彼女の日々は充実していた。

朝四時くらいに、息子を起こしてまんぷく亭にやって来た。

そしてまた忙しい一日が始まるのだ。

陽はまだ小さいので、途中でまた寝てしまった。

店に到着すると、唯月は二つの椅子をくっつけて、その上に息子を寝かせ、その側にまた椅子をいくつか並べて陽が寝返りを打った時に床に落ちてしまわないようにした。

彼女が雇っている二人の店員は、朝六時に出勤してくる。

普通、六時半から九時半くらいまでが最も忙しい時間帯だ。

唯花は朝七時過ぎに甥を迎えにやって来る。

この時間になると陽はすでに目を覚ましているのだった。

陽はとても言うことを聞く子で、起きてからは泣き喚くこともなく、一人でレジの奥にあるスペースで、あのまだ完成させていないレゴを組み立てるのだ。

「お姉ちゃん」

唯花が店にやって来て、姉に一声かけた時、その中はすでに出勤途中の会社員たちで溢れかえっていた。それを見て彼女は姉の手伝いをした。

「結城さんはもう仕事に行ったの?」

唯花は「うん」と答え、お客が餃子を二皿注文したので、急いでその準備をして持って行った。

「お姉ちゃん、陽ちゃんはもう朝ごはんを済ませてあるの?」

唯月は「まだよ。あの子にはおにぎりと卵焼きを作ってあるから。そうだわ唯花、餃子が足りないから、ちょっと作ってもらえないかしら」と唯花に言った。

餃子はいつもお客からの注文が入ってから焼き始めるが、すでに餡は皮で包んだ状態に準備してあるのだ。

唯花は「わかった」と答えた。

この時、隼翔が店にやって来た。

「二人とも、おはよう」

隼翔は入って来ると、まず挨拶をしてから店をぐるりと見渡して笑って言った。「イートインスペースは空席がないみたいだな」

「東社長、お弁当を買って会社で食べられます?それか、少し待ってもらうか」

隼翔は「急いでないから、少し待っていよう」と言った。

そして彼は陽がいるほうへと向かった。

「あずまおじたん」

隼翔が来たのを見て、陽はとても嬉しそうにしていた。

そんな陽の様子を見て、隼翔はメロメロになり驚いていた。

「陽君、おはよう」

隼翔は楽しそうにする陽を見て、両手を伸ばし抱っこしようとした。

しかし、陽はこう言っ
Lanjutkan membaca buku ini secara gratis
Pindai kode untuk mengunduh Aplikasi
Bab Terkunci

Bab terbaru

  • 交際0日婚のツンデレ御曹司に溺愛されています   第1622話

    隼翔「……」この子は、なんて頑固な子なんだ。「陽」唯月のほうも二人に気づき、近づいてきた。隼翔は心配になり、また陽に母親に言うんじゃないと釘を刺しておいた。しかし、陽はその言葉が聞こえていないかのように、もがいて下にするりと降りると、母親のほうへ駆けて行った。「ママ」唯月は陽が来ると彼の手を繋いで微笑んで尋ねた。「陽、もう遊ばなくていいの?」「いいの、おうちに帰る」「わかったわ、帰りましょうか」唯月は隼翔を見て彼のほうへと近寄っていき、落ち着いた様子で隼翔に礼を言った。「陽の相手をしてくださって、ありがとうございました」「そんなとんでもない。俺は陽君の世話なら喜んでやるさ」隼翔は陽の頭に手を差し伸ばして撫でた。「陽君はとっても聞き分けのいい子だからね」唯月は笑って、隼翔に言った。「東社長、陽が家に帰りたいと言うので、これで失礼します」隼翔はすぐに言った。「俺が送っていく」「いいんです」唯月は陽を抱き上げて、隼翔にさようならの挨拶をするように言った。「内海さん」隼翔は彼女と母親が一体何を話したのか知りたかった。唯月はただ彼のほうへ顔を向けて笑うだけで、陽を抱いたまま去っていった。隼翔は二人の後に続いていった。「ママ、聞きたいことがあるんだ」陽がそう口を開くと、隼翔はどこか穴があったら入りたくなってしまった。何度も説明したというのに、全く理解してくれていないらしい。やはり母親に伝えようとしている。「なぁに?」唯月は隼翔が陽に何を言ったのかなど全く知らず、息子から聞きたいことがあると言われて、何なのか興味を示した。陽は言った。「あのね、あずまおじたんがぼくとママの家族に入りたいんだって。ぼくにいいかって聞いてきたんだよ。でも、ぼくこどもだから、決められないよ。ママに聞いていいって言ったら、ぼくもおじたんにいいよって言うんだ」そう言い終わると、陽は隼翔のほうを向いて呼んだ。「おじたん、はやく来て、ぼくがママに聞いてあげたよ」隼翔「……」どこかに穴はあるかな?どこでもいいから、入りたいんだが。それか神様どうか雷でも落として気絶されてくれないだろうか。そうすれば気まずさを回避できる。唯月「……」この時、彼女もあまりにも無邪気に尋ねる陽に言葉を失ってしま

  • 交際0日婚のツンデレ御曹司に溺愛されています   第1621話

    「ママはちょっと用事があっていないんだ。すぐに帰ってくるよ」隼翔は嘘をついておいた。「外でママが戻って来るのを待っていよう」陽はひとこと「そうなんだ」と返した。隼翔は陽を抱いて一階までおりてくると、再び陽に尋ねた。「陽君、食べたいお菓子があるかな?おじさんが買ってあげるよ」「ありがとう。でも、おばたんの家にたっくさんおかしあるから、いらないんだ」陽は今ほとんどの場合、唯花の家で夜を過ごしている。朝は七瀬が彼を稽古に送っていくので、稽古がない日だけは母親と一緒に寝ているのだ。唯花も理仁も陽のことを非常に可愛がっていて、たくさんのお菓子を買ってあげている。「おばさんが買ってるお菓子はおばさんのお家のものだろう。おじさんも陽君に買ってあげたいんだよ。陽君、おじさんもカッコイイところを見せたいなぁ」陽は隼翔を見つめた。隼翔の言った言葉の意味がよくわからないのだ。隼翔は詳しくどういうことか説明することはなく、陽に尋ねた。「陽君、おじさんがパパになったらいいなって思ったことはないかな?」「ぼく、パパはいるよ」それを聞いた隼翔は言葉を詰まらせて、また口を開いた。「もちろん陽君にはパパがいることは知っているよ。誰にだって生みの父親はいるんだ。だけど、人によっては例外もあって二人パパがいたりするんだ。君はパパが二人いらないか?俺にももう一人のパパにならせてくれないかな?」しかし陽は首を横に振った。「あずまおじたんはおじたんだよ。パパはパパなの。あずまおじたんがどうやってぼくのパパになれるの?」彼はまた続けた。「ぼくにはパパ一人でじゅうぶんだよ。二人もいらない。ママはいっつもよくばったらダメだって言うんだ。それは誰かにわけてあげないといけないんだって。おじたん、他の子のパパになったらいいんじゃないのかな」それを聞いた隼翔は言葉を失ってしまった。この子はかなり賢いのだが、幼すぎてどう説明してもわかってもらえない。「陽君、おじさんはね、君のママのことが好きだから結婚して家族になりたいんだ。そうなったらおじさんたちは一家三人になって、陽君はおじさんのことをパパと呼べるんだよ」「だけど、ぼくにはもうパパがいるよ。あずまおじたんはママとけっこんしたいの?」隼翔は笑った。「そうだよ。ママと一緒になってもいいかな?」

  • 交際0日婚のツンデレ御曹司に溺愛されています   第1620話

    美乃里は不満を漏らした。「……あの子は本当にどんな目をしているのよ。うちの隼翔があれほど優秀なのに、彼女は好きにならないなんて。一体どんな人と結婚したいっていうの?」「離婚した女性は必ず再婚しなければならないのか?私には内海さんが本当に心に深い傷を負っていて、新しい恋を受け入れるのは容易ではないだろうと思ってるぞ。もし隼翔が諦めなければ、おそらく彼は何年もかけても、内海さんの心を動かせるかどうかもわからないんだ。その時になったら、君が彼らの関係を妨げるのではなく、内海さんに早く隼翔と一緒になってくれと懇願しているかもしれない」美乃里は顔を曇らせた。「私は絶対に彼女に隼翔と一緒になってくれと頼むことはないわ。太陽が西の方から昇って来ない限りね」健一郎は心の中でつぶやいた。口ではこんなに強気なことを言っていても、後でひどい目に遭うだろう。ひょっとすると、妻が将来、唯月に隼翔と結婚してくれるよう頼むために、自分でその太陽に西から昇ってくれと願うかもしれない。……隼翔はショッピングモールで陽を見守っていたが、そわそわして落ち着かなかった。彼は今すぐ母親と唯月のもとに行き、二人が何を話しているのか知りたかった。唯月はますます自分の気持ちを受け入れなくなるのでは?しかし彼は行くことができなかった。陽を見守らなければならない。唯月が陽の面倒を頼んだのだ。もし陽に何かあれば、彼は唯月の信頼を裏切ることになる。彼は両手をポケットに入れ、子供たちが遊んでいるところの入り口を行ったり来たり歩き回った。何度往復したかわからないほどだ。首を長くして待っても、唯月の姿は見えない。「あずまおじたん、あずまおじたん」陽は遊び疲れて、家に帰りたがっていた。彼は出ようとしたが、スタッフが一人では出てはいけないと言った。「ボク、パパやママがいるか見てごらん。いなかったら、もう少し遊んで、迎えに来るのを待ってから出ようね」陽はママの姿は見えなかったが、隼翔の姿を見つけ、彼に向かって大声で呼びかけた。隼翔の心は陽には向いておらず、それに周りも騒がしかったので、陽の呼び声はまったく聞こえなかった。結局、スタッフがやってきて、隼翔の肩をポンポンと軽く叩いた。隼翔が振り向くと、彼女は言った。「お客様、あちらのお子様のご家族ですか?もう遊びたくないそ

  • 交際0日婚のツンデレ御曹司に溺愛されています   第1619話

    「東夫人、また他にご用事はありますか?なければ、先に失礼します。陽がまだショッピングモールにいますので、迎えに行かなければなりません」唯月は実は少し不機嫌になったのだ。彼女は隼翔のことを想ったことは一度もないというのに、美乃里にこのような無理な要求をされて、心地よく思える人などいないだろう?彼女はただ隼翔の店を借りているだけで、隼翔は理仁の友人だし、それに彼は何度も助けてくれた。だから彼女は隼翔に少し親しみを込めて接したが、本当に彼を想ったことはない。それなのに、美乃里から試されて、無理に強要されるような目に遭った。非はないのに、なぜ自分のほうが星城を離れなければならないのか?「じゃ、早く迎えに行ってらっしゃい。車に気をつけてね。最近車が多すぎるから」美乃里は無理に優しい口調でそう言った。唯月は自転車の鍵を手に取り、美乃里に一言挨拶すると立ち上がり、去っていった。唯月が去った後、健一郎はすぐに中に入ってきた。壁際の席に座っている妻を見て、彼は近づいた。「話はどうだった?こんなに早く終わったのか?」健一郎は唯月が出ていくのを見ていたが、その表情がとても落ち着いていたので、何も読み取れなかった。二人がどんな話をしたのか、さっぱり分からない。「言いたいことを言ったから、話は終わったの。成功しなかったわ。彼女はあなたの息子と同じで、頭を下げない人なの。自分の問題だと思っていないし……」美乃里はしばらく黙ってから言った。「確かに彼女の問題ではないのね」彼女は深くため息をつき、唯月と交わした会話をすべて夫に伝えた。そして最後にこう言った。「内海さんはこう言ったわ。私が認めなければ、彼女は絶対に東家に嫁がないって。あなた、この内海唯月って人、ずる賢いと思わない?私が認めなければうちの嫁にならないなんて、それは隼翔に全部私のせいだと思わせるでしょ?私たち親子の仲に悪い影響が出るじゃない?」「君は最初から認めていないだろう。隼翔とは、そもそももう揉めているんだ。それは別に彼女のせいじゃない」美乃里はまた言葉に詰まった。そうだ。彼女は息子と唯月が一緒になることを一度も認めたことはない。しかし唯月から保証された後、自分がまるでうまく言いくるめられたような感じがしてしまった。しかし、実際はそうじゃないのだ。とにかく

  • 交際0日婚のツンデレ御曹司に溺愛されています   第1618話

    唯月が隼翔から逃げられたとしても、根本的な解決にはならない。一時的に彼から離れることができるだろうが、しかしそれは永遠じゃない。「夫人が社長を説得できれば、それが実は一番良い方法だと思います。私も夫人が何とか社長を諦めさせてくれることを願っています」美乃里「……」唯月の言葉に、美乃里の顔は少しほてった。美乃里は、唯月に隼翔から離れてほしかったというのに、逆に唯月にどうにかしてくれと言われてしまった。しばらく沈黙が続き、美乃里は懇願するような口調で唯月に言った。「内海さん、私に少しでも方法があるなら、あなたに頼みには来ないわ。あのバカ息子はまったく話を聞いてくれなかったの。だからあなたにお願いするしかないのよ。内海さん、あなたを見下しているわけじゃないの。でも結婚というのは家柄が釣り合うかどうかが最も大切なところよ。あなたもわかっているでしょう?あなたが今、平穏な生活を送っていて、再婚を考えていないのはさておき、たとえ考えたとしても、あなたと隼翔が一緒になっても幸せにはなれないの。あなたたちはそもそも住む世界が違うのよ。恋をしたばかりの時は、何でも克服できると思うかもしれない。でもその熱が冷めてから、きっと二人の間に不満が生じてくるわ。それに、私もあなたが隼翔の嫁になることを受け入れられないの。もしあなたが本当に隼翔と一緒になったら、私が嫁になったあなたに何をするか、保証できないわ」彼女が言い終わると、唯月は言った。「わかっています」「それなら……この一心に息子のことを思っている母親のことを助けてくれない?あなたが星城を離れてくれるなら、いくら補償が必要か、ちゃんと金額を言ってください。私は何でも叶えてあげるわ。あなたは妹さんや詩乃さんたちと連絡してもいいわ。ただ彼らに、あなたの行方を漏らさないように、隼翔にあなたを見つけられないように頼んでくれればいいの」美乃里はさらに唯月の手を取って握りしめ、さらに懇願した。「内海さん、どうか私の言うことを考えてください。あなたが離れると約束してくれさえすれば、他のことはすべて私から手配するから」唯月はそっと自分の手を引き戻した。「東夫人、申し訳ありませんが、私は星城を離れることはできません。私に非はないというのに、なぜ私がそんなことをしなければならないんですか?夫人が東

  • 交際0日婚のツンデレ御曹司に溺愛されています   第1617話

    琴音が隼翔のことを諦めたのは、隼翔が唯月を好きになったと知ったからだった。彼女はほとんど躊躇いもせず、隼翔を諦めてしまった。隼翔の好みは独特で、彼女には彼を満足させることができず、それなら諦めたほうがいいと思ったのだ。隼翔に恨まれることもないし、二人はビジネス上のパートナーとして関係を続けられる。「夫人、私も東社長を説得しようとしたんです。樋口さんはいい人ですよって、彼と樋口さんがうまくやっているのも見ました」説得は、確かにした。だが効果は……なかった。美乃里の言った通り、隼翔は独立心が強く、頑固で、彼が一度心を決めた人や物は、自分自身が諦めたり変えたりしない限り、他人が無理やりその決心を変えるのは難しいのだ。「内海さん、これがあなたのせいではないとわかっているわ。問題はあなたにあるのではなく、隼翔にあるのよ」もし唯月が隼翔にしがみついていたら、美乃里はとっくに強引に唯月を星城から追い出していただろう。唯月にどんな後ろ盾があろうと関係ない。だが唯月は自分の息子を好きではないから、結局唯月に何もできないのだ。「でも、内海さん、あなたに一つ手伝ってほしいことがあるの」「何のことでしょう?」美乃里は、もうここまで話したのだから遠回しにではなく、はっきりと言おうと思った。「あなた、今の店を退去して、あの大通りから引っ越して、他の場所で店を開いて商売をすることはできない?できれば東グループから遠く離れたほうがいいわ。安心しなさい、引っ越しによるすべての損失と費用は私が出すから。新しい店は、どこに借りるにしても、東グループから離れている限り、内装の費用はすべて私が負担する。あなたは一円も払わなくていいの」隼翔が唯月のことを好きだと知った当初、唯月も今の店を退去して引っ越すべきか考えたことがあった。結局、素直に向き合うことに決めたのだった。隼翔が彼女を追いかけるのだから、たとえ彼女が引っ越したとしても、隼翔が追いかけるのをやめるだろうか?もしそうなら、彼女はとっくに引っ越してここから離れている。それに、ようやくあそこにたくさんの常連客がつき、商売が軌道に乗り始めたところだった。初めて開いた自分の店に、彼女はたくさんの心血を注いできた。正直なところ、諦めるのは本当に惜しかった。「もちろん、もしあなたが星城を離れ

Bab Lainnya
Jelajahi dan baca novel bagus secara gratis
Akses gratis ke berbagai novel bagus di aplikasi GoodNovel. Unduh buku yang kamu suka dan baca di mana saja & kapan saja.
Baca buku gratis di Aplikasi
Pindai kode untuk membaca di Aplikasi
DMCA.com Protection Status