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第1388話

Auteur: リンフェイ
陽は叫び声をあげながら、必死にもがいて男の腕の中から逃れようとしていた。

彼はまた相手を蹴ったり叩いたりしていたが、相手は大柄の男だから、子供の彼ではただもぞもぞ痒いと思う程度の力でしかなかったのだ。

それで抵抗しても意味がなかった。

陽は自分が蹴ったり叩いたりしても通用しないのがわかり、突然、黒服の男の目を叩き始めた。するとそれは効果があった。

黒服の男は陽から目を叩かれて、視界を遮られ、よろけてしまい走るスピードが落ちてしまった。

唯月はその様子を見て、さらに力を振り絞って走るスピードを早め前方に駆けていった。残り十メートル、五メートル、一メートル……

黒服の男がイライラして陽に手刀を入れて気を失わせようとした瞬間、唯月が彼のほうへ突進していき、必死に陽を抱き上げ奪い返した。しかし、その勢いで彼女はそのまま地面に倒れ込んでしまった。倒れても彼女はしっかりと息子を抱きしめて放そうとせず、陽が上に覆いかぶさる形で抱きしめていた。

危険が訪れた時、母親というものは子供が怪我をしないように本能的に守ろうとするものだ。

男はここまで来て諦めるつもりはないらしく、唯月が倒れた時
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