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第978話
Pinakabagong kabanata
交際0日婚のツンデレ御曹司に溺愛されています 第988話
亡くなった義父母のお墓はあのクズどもによってどこかへ移されてしまい、唯花姉妹でさえ、今どこにあるのか知らないのだ。彼らの目的は姉妹に両親の墓参りをさせず、智文に「養子」として墓参りさせ、唯花の父親の遺産を正当に相続させようとしているのだ。両親の話になると、唯花の表情は暗くなった。理仁は彼女の手を握り、慰めるように言った。「お義父さんとお義母さんがきっと天国から見守っているよ。君とお義姉さんが幸せに暮らしているのを知れば安心するはずだ」「お父さんとお母さんのもの、必ず取り戻すわ！」「俺がついているから、思い切ってやっていいさ。一番優秀な弁護士を雇ってやるから、絶対彼らの思うようにさせない」唯花は力強く頷いた。「ごほん！」姫華はわざと咳をして、夫婦二人の会話を遮った。彼女は夫婦の視線を浴びながら近づいてきた。「唯花、お母さんからさっき電話があって、一緒に帰ってドレスやメイクの準備して、それからパーティーに行くって」そして、理仁に向かってまた口を開いた。「唯花が作ってくれた愛妻弁当はもうできてるわ。結城さん、ここで食べていく？それともそれを持ち帰る？」理仁は唯花を見つめた。唯花に一緒に食べてほしいのだ。「ここで食べてから行きましょう。私も一緒に少し食べるから」唯花は夫のことをよく知っている。彼女が一緒にいると、彼は何でも美味しく食べられる。それに、彼女は今毎日三食を作って、彼の胃が早く良くなるようにしている最中だ。「パーティーであまり食べられないから、少しは食べておいた方がいいよ」姫華も口実を作り、テーブルを用意し、拭きながら言った。「唯花、週末は実家に帰るんでしょ？私とお母さんも一緒に行ってもいい？叔母さんが育った場所を知りたいし、お母さんなら言うまでもないでしょ。前からあなた達の実家へ行ってみたいと思っていたの。叔母さんの里親にも会いたがってるわ」叔母がなくなったあと、その里親は多額の賠償金を取ってから、唯花姉妹と関わらないようにしていた。つまり、今後赤の他人のようにすることにしたのだ。それでも、彼らは叔母を育ててくれた人であることには変わりない。詩乃は妹の成長について知りたければ、その里親の口から聞くしかなかった。どう言っても、詩乃は妹の里親には感謝していた。彼らがいなければ、妹は成
交際0日婚のツンデレ御曹司に溺愛されています 第987話
姫華は自分が理仁の愛する人になれなかったことを悔しいと思っていたが、理仁が従妹の唯花の夫となることを素直に受け入れ、心から唯花の幸せを願っていた。理仁の黒い瞳に意外そうな色が浮かんで、少し驚いていた。姫華が唯花の前で彼の悪口を言うと思っていたのだ。姫華は自分がそんな下品なことするわけがないと断言できる。理仁がそんな心の狭いことを考えるなんて心外だった。「外のパンクした車は内海智文ってやつのか」「そうよ」理仁は携帯を取り出しながら言った。「じゃ警察を呼んでレッカーしてもらおう。あんな場所に置いておくと、交通の邪魔だろう」「あの人、こっそり二回見に来たわよ。私がいない間にレッカーを呼んで車を戻そうとしたんでしょうね」と唯花は皮肉を込めた声で言った。「後ろめたいことをしたって自覚してるんでしょ？」「ところで、君のその従妹、今ある街の整形外科で整形手術を予約を入れたそうだよ。どんな顔にさせたい？」唯花は意地悪く言った。「私とそっくりにして、私に代わりたいって考えてるんでしょ？じゃあ、彼女を一番上の従姉の顔のように整形させてあげたらいいわ。彼女は内海智明と姉弟で、もう結婚して子供もいるのよ」香苗が従姉とそっくりになったら、あのクズらはどんな反応をするだろうか、それに従姉夫婦もどう思うだろうか、唯花はそれを見てみたいのだ。家族同士が揉めたらきっと面白いだろう。「その従姉の名前は？教えて、後で悟に調べさせて、その女の顔がわかったら、その内海何とか苗を確実に彼女とそっくりに整形させられるから」唯花が従姉の名前を理仁に伝えると、彼はすぐ悟に教え、ついでにメッセージにこう書いた。「あの何とか苗とかいう女をこいつとそっくりに整形させてくれ」悟はボイスメッセージを返してきた。「理仁、また早退か？」理仁は当たり前のように言った。「そうだよ、文句でもあるか？俺が早退すれば、お前ら喜ぶだろう？」悟「……」理仁が会社にいないのは確かにみんなが喜ぶが、悟はそうじゃないのだ。彼も早退して明凛に会いに行きたかった。もちろん、理仁夫婦が仲直りができたことに、悟は心から喜んでいた。彼らの頭の上にあった青空を遮る曇がようやく散っていったのだから。「この二、三日、空いてるの？」唯花は彼に尋ねた。「どうした？」理仁は熱い視線を彼女
交際0日婚のツンデレ御曹司に溺愛されています 第986話
もはや姫華に敬語を使うことも気にすることはなくなった。姫華は確かに彼より何歳も年下だが、確かに唯花の従姉だからだ。妻の家族だったら、丁寧に話しかけるのも一理あるはず。「ええ、唯花を迎えに来たのよ。あなたは早退してきたの？」理仁は当たり前のように言った。「やるべき仕事はとっくに終わりましたから、少し早く帰っても誰も文句は言わないはずですよ」姫華は口を尖らせた。結城グループでは理仁の命令は絶対だから、たとえ彼が一カ月会社を空けても誰も文句など言えないだろう。ましてや、たまに早退するだけであればなおさらだ。「結城社長は確かに忙しいお方だけど、唯花の前ではお暇のようね」姫華はからかったように言った。以前、理仁は彼女と会う時間さえないと言っていたが、実は時間がないのではなく、ただ彼にとって彼女が重要な存在ではないからだったのだ。本当に好きな人なら、どんなに忙しくても時間を作って会いに来るだろう。それに気づいてから、姫華はすっきりした。理仁は確かに優秀な男性だが、彼女だって負けていない。ただ、彼女は理仁のタイプではないだけだ。それは構わない。世の中に優秀な男性がたくさんいるから、きっと彼女を好きになってくれる人が現れるはずだ。「唯花さんは？」「あなたの胃の調子が悪いから、食事をしっかり管理しないとって言って、今料理を作っているのよ。できたら会社まで持っていくつもりだったみたいね。まさか自分で来てくれるなんて、助かったわ。手間も省けたし。待ってて、唯花を呼んであげるわ。ところで、結城さん、何も持たずに来たわけ？手ぶら？」理仁「……」姫華は言葉に詰まる彼を見ておかしく笑った。唯花のようにこだわりのない人でなければ、理仁のようなつまらない男には耐えられないだろう。明凛は立ち上がりキッチンに入り、親友がやっていることを引き継いだ。そして、唯花を理仁のところに行かせた。「理仁さん、もう仕事が終わったの？今スープを作ってるの、もうすぐできるわ」キッチンから出てきた愛する妻を見て、理仁はほっとした。正直に言うと、姫華と一緒にいるのは少しプレッシャーを感じていた。彼は彼女に媚びることもできず、とげとげした態度で対応することもできないのだ。彼女に唯花の前で自分の悪口を言われるのを恐れていたのだ。「唯花、ちょっと結城さ
交際0日婚のツンデレ御曹司に溺愛されています 第985話
隼翔は「……だから理仁、お宅のおばあさんは一体どういうつもりなんだ？まさか俺が内海さんにその気があるって勘違いしているんじゃないだろうな？俺は本当に、単に、陽君のことが好きなだけなんだぞ」理仁は親友のその言葉は全くの言い訳に聞こえた。おばあさんの人を見る目は確かだ。もし隼翔が彼の義姉には少しもその気がないなら、祖母がわざわざ隼翔を探るはずがないのだ。以前から、理仁は隼翔と唯月は結構縁があると思っていた。この星城のような大都市で、二人が何度も偶然に出会うなんて、これこそ縁というものではないか。「まあ、陽君なら俺も気に入ってる。義姉さんにその気があるかどうかはお前のことだろう。俺と別に関係ないし。ただ、俺にとって、お前は単純に陽君のことが好きで、別に彼の母親目当てではないほうがいいと思ってるぞ」隼翔が理仁の親友で、理仁は彼のことをよく理解している。隼翔が唯月と一緒にいるのはよくないと思っていた。その原因は主に東夫人にあるのだ。唯月がバツ一であることはもちろん、たとえ未婚であっても、東夫人は認めないだろう。「もちろん、陽君目当てだ」隼翔はおかしそうに言った。「俺はあんなに陽君を可愛がってるのに、どうしてお前らずっと俺が内海さんにその気があるって思うんだ？」たとえ唯月に少し気を遣うことがあっても、それは彼女が陽の母親だからなのだ。「理仁、ちゃんとおばあさんに説明してくれないか？くれぐれも俺に縁談話を持ち込んでくれるなよ」理仁は思わず笑った。「お前らな、俺のばあちゃんが仲人だと思ってるのか、そんなにばあちゃんに縁談話を持ち込まれるんじゃないかってヒヤヒヤしてるとかさ。心配するな、ばあちゃんは今、孫たちの相手を探すのに忙しいんだ。お前たちのような孫の親友までには手が回らないよ。桐生社長も以前、桐生善さんの縁談を頼んできたことがあるぞ。俺はもちろんそんなことはできないんだ。俺自身だってばあちゃんのおかげでようやく結婚できたんだ。だから桐生社長はおばあさんにも手伝ってほしいって言ってた。うちのばあちゃんは結婚相談所を開けるんじゃないかって最近思っていたんだぞ。お前たちのようなハイスペックな独身のやつのためのな」そうすれば、縁談が成功したら、その謝礼金だけで儲かるだろう。とくに、隼翔のような年頃のハイスペックな独身男なら
交際0日婚のツンデレ御曹司に溺愛されています 第984話
おばあさんは呆れて言葉を失った。「東社長、どうしてあの人たちがここに来ているとわかったんですか？」唯月は我に返り、思わず尋ねた。隼翔はもがく陽を降ろした。あれだけ風車を買ってあげたのに、陽はまだこの東おじさんを好きになってくれていないのだ。隼翔は少しショックを受けていた。たった三歳の子の機嫌も取れないなんて。「結城おばあさんから電話があったんだ。君の元義理の母親と姉がまた騒ぎを起こしてきたから、早く助けてほしいって言ってきたんだよ。それに、彼女たちのせいで陽ちゃんがびっくりしたり、おばあさんが傷ついたりしたら大変だと思って、急いで警備員を連れて来たんだ。みんな大丈夫だったか？」唯月は納得した。結城おばあさんが彼に電話をかけて助けを求めたから、隼翔が突然現れたわけだ。東グループが近くにあるのが幸いだった。おばあさんが彼に助けを求めるのは当然のことだった。唯月は多く考えず、ただこう言った。「あの人たちはただ厚かましい人なだけですから、別に怖くないんですよ。水を汲んでかけて追い払おうと思っていたところに、東社長が来てくれたんです。東社長、本当にありがとうございました」隼翔は言った。「無事で何よりだ。今後また来たら、すぐに追い出せばいいんだ。あんな理不尽な奴らと話す必要などないんだぞ」もし彼女らがものを壊すような真似をすれば警察を呼べるが、ただ愚痴を言ってきて、お金を借りようとしただけでは、唯月は通報できないのだ。「結城おばあさん、内海さん。俺はまだ用事があるので、先に帰ります。もしまた何かあったら電話をしてください。後で執事にここにも警備員を配置するよう言ってやるんで。こうしたら、この辺りも比較的平和になり、こんなことが二度と起きないようにできるだろうから」隼翔は急いで来て、あっという間に去っていった。滞在時間は十分もなかった。唯月はおばあさんはわざと隼翔を探るためにこうしたのだとは知らず、彼が警備員を連れて去ったあと、おばあさんに言った。「東社長は本当にいいオーナーさんですね。この店舗が良いなって思ったのは、ただ人通りが多いからだけじゃないんです。東グループと他の中小企業もたくさんありますから、店をやったらきっと儲かるなって考えたんです。今はここを選んで本当によかったと思っています。東社長はただ家賃を回収す
交際0日婚のツンデレ御曹司に溺愛されています 第983話
「すぐ行くから、唯月、すまんな」俊介は母と姉の代わりに詫びると、すぐ電話を切り、車の鍵を手に取って父親に言った。「父さん、母さんと姉さんがまた唯月のところに行ったんだ。本当に恥をかかせてくれる二人だよ。一緒に行って連れて戻してくれないか」佐々木父も顔色を暗くし、暫くして「全く何をやってるんだ」と言った。かつてはちゃんとした家庭が彼女たちのせいでバラバラになり、新しい嫁を迎えたものの、妻と娘は息子の元嫁の良さを思い出し、頻繁に唯月のところに行って困らせているのだ。一体どういうつもりか、実に情けないことだった。「お前と玲奈さんの結婚式が終わったら、母さんを連れて田舎に戻るよ。これからは大したことがないかぎり、星城に来ないからさ」佐々木父は妻と娘を連れて実家に戻るのが最善だと考えた。新しい息子の嫁と距離を保てば毎日喧嘩になることもなくなるだろう。それに、元嫁からも離れて、彼女に静かな生活を送らせることができるのだ。俊介は黙って父親の決定を認めた。唯月が元夫にかけた電話を切ると、隼翔が勢いよくガラスドアを押し開けて駆けつけて来た。彼の後ろに、十数人の警備員もついてきた。唯月はポカンとした。これは一体どういう状況なのか。おばあさんは「おや、結構な人を連れて来たじゃないか」と思った。「この二人の女を追い出してしまえ！」隼翔は入ってくると、何も聞かずに警備員に佐々木母子を店から追い出すよう命令した。彼は佐々木母子の前に立ち。傷跡のある顔を冷たく引き締め、冷酷な目つきで二人を見下ろすと、母子二人が我慢できず震え出した。「この通りの半分の店舗は俺のもんだ。俺の縄張りで迷惑をかけてくるなんて、いい度胸じゃないか。この東隼翔のことをなめているってことか？一度しか言わないからな。また俺のテナントのところに近づいたら、ただで済まさんぞ！出ていけ！」「は……はい！今すぐ消えます、今すぐ！」佐々木母は恐怖で震え出した。そして娘を連れてさっさと逃げ出した。母子二人は車に戻り、あっという間に走り去っていった。外でずっと見張っていた莉奈は隼翔が警備員を連れて来たのを見ると、すぐ自分の車に戻り、こっそり成り行きを見ていた。それに、彼女は携帯で動画を取り、俊介に見せようと思った。唯月は今もう強い後ろ盾を見つけて、俊介は彼女にと
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