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第8話

Author: 葉山みぎわ
あの日以来、美雪が俺の見舞いに来ることは一度もなかった。

美雪から出ていた治療費も、悠真に止められてしまった。

金がなくなった俺は特別室から個室へ移り、さらにそこから大部屋へ移ることになった。

設備も以前ほど整っておらず、十分に休める環境とは言えなかったため、体はなかなか回復しなかった。

1か月後、とうとう手持ちの金も底をつき、これ以上入院を続ける余裕がなくなった俺は、退院するしかなくなった。

胸元に残った、長く醜い暗赤色の傷痕を指でなぞる。

その瞬間、すべてを呑み込んでしまいそうなほど激しい憎しみが胸の奥から込み上げてきた。

退院した俺が真っ先に向かったのは、警察署だった。

「通報したいんです。母の遺体が盗まれました」

警察の動きは早かった。

1日も経たないうちに病院の防犯カメラを確認し、母の遺体がどこへ運ばれたのかを突き止めた。

少し調べれば簡単に分かる真実だった。

それなのに美雪は、悠真の言葉を少し聞いただけで、あっさりとそちらを信じた。

なんて馬鹿馬鹿しいんだろう。

防犯カメラの映像を追った結果、母の遺体は悠真と拓海が二人で運び出した可能性が高いこと
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