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第712話

مؤلف: 錦織雫
柊は、頭の中が真っ白だった。

紬の体の状態は察していた。しかし、過去の冷酷な真実こそが、彼の心に致命傷を与えるものだった。

柊が病院のエントランスを出て間もなく、茜が急ぎ足で駆けつけてきた。ずっと柊の動向を目で追っていたのだ。彼が紬と接触することだけは、絶対に許せなかった。

それなのに今日もまた、柊が紬のところへ行ったという報告が入ったのだ。

車を降りるなり、茜は歯を食いしばって激しく詰め寄った。「柊、私に申し訳ないと思わないの!?あなたと紬のせいで、私の子はどうなったと思ってるの?なのに、なぜまだあの女に会いに行くの?」

怒りで我を忘れていた。少し前の流産が、彼女の心に癒えない深い傷を残していた。

すべての元凶は紬だと、そう思い込んでいた。紬が思わせぶりな態度をとるから、柊が彼女を諦めきれないのだと。

柊は、無言で茜を冷たく見下ろした。

茜はますます激昂し、手にした鞄を彼の胸に叩きつけた。

「浮気じゃない、これ!私たちの結婚式は子どものことで延期になったけど、いずれ挙げるんだから、もう二度と私を傷つけるようなことはしないで……」

乾いた音が響いた。

柊は何も言わ
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