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第255話

Author: 星柚子
奈穂は軽く笑って言った。「もし本当にそれができるなら、私のこの恩も、それで返したことになるわ。もう、いちいち気にしなくていい」

そう言うと、またあくびが出そうになった。

逸斗が何か言う前に、彼女は続けた。「眠いから、切るね」

そう言い終えるや否や、ためらいもなく電話を切り、明かりを消して眠りについた。

「おい、ちょっ……」

逸斗は、彼女が本当に切ってしまうとは思っておらず、次第に暗くなる画面を見つめて、思わず苦笑した。

切ると言ったら本当に切る。情け容赦がない。

やはり、彼女は自分に欠片ほどの好意も持っていないのだ。

……まあ、これは最初から分かっていたことだ。

北斗を最低だと言える立場でもない。正直、自分だって北斗と大差ない。

そんな自分に、彼女から好かれる資格などあるはずがない。

逸斗はスマホを脇に放り、ベッドに横になった。

ほどなくして、若い看護師が、体温測定を口実に、楽しげに入ってきて彼に言い寄ってきた。

だが彼は気乗りしない様子で、まともに相手もしなかった。

看護師はつまらなそうにし、体温を測り終えると、すぐに出て行った。

逸斗の頭の中は、奈穂の
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