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第570話

Auteur: 星柚子
かつて可愛がっていた養女は、今や高代にとって完全な仇となっていた。

「……ふん」

北斗は、もはや水紀の名前すら口にしたくないとばかりに、冷笑を漏らす。

「今のあの様子じゃ、後ろ盾にももう見捨てられたでしょうね。あとは刑務所で一生過ごすだけよ!」高代は憎々しげに言った。「そういえば、あの子が当時身ごもっていた子どもだけど――」

北斗ははっと顔を上げた。「……それを今さら言って、どうする?」

「別に。ただ思っただけよ。あの子、他にも後ろ盾がいたんでしょう?だったら、お腹の子が本当にあなたの子かどうかなんて、分からないじゃない?」

高代は鬱憤を晴らすつもりで口にしただけだった。

だが――

その一言は、北斗にとって雷に打たれたような衝撃だった。

顔色が一瞬で青ざめる。

――そうだ。あの女は、嘘をつくのが得意だった。

思い返せば、妊娠してからの水紀はどこか落ち着かず、何かを隠しているようだった。

まさか――

あの子は、本当に自分の子ではなかったのか?

いや、それどころか。

たとえ自分の子だったとしても、あの時点で既に他の男と関係を持っていた可能性は十分ある。

――
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