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第256話

Author: おやき
声は出なくても、手足は動く。

清華は静真の胸倉を掴み、ドスドスと二発蹴りを入れた。

街に戻る車中、静真は高熱でうなされていたが、口だけは達者だった。

「治ったらタイマンだ!」

清華は無視して、源蔵にビデオ通話をかけた。

昨夜二人が帰らなかったので、心配で眠れなかったはずだ。

源蔵はすぐに出た。清華は笑顔で手を振り、カメラを司に向けた。

「おや、司。どうしたんだその傷は?何があった?大丈夫か?今どこにいるんだ?」

「何でもない。変なこと考えるな」司は眉をひそめた。

「何かあったに決まってるだろ。隠さずに言え!」

「もういい、切るぞ」

司はカメラを押しのけた。一言も喋りたくないようだ。

清華はため息をついた。司はいつも父親に冷たい。理由はわからないが。

源蔵が傷つくのを恐れ、清華はカメラを自分に戻した。だが源蔵は意外にもニコニコしていた。

「まあ、どんな大事も、無事ならそれでいいさ」

清華は笑顔で頷き、親指を立てた。

「清華、どうして喋らんのだ?」

清華は喉を指差し、声が枯れて出ないことをジェスチャーで伝えた。

「心労が祟ったんだろう。早く帰ってきなさい
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