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第132話

Author: 小粒キャンディ
しかし慶が近づいてちゃんと見ようとしたその時、背後から突然誰かに引っ張られてしまった。

「黒崎社長、やはり酔っていらっしゃいましたね。お手洗いはあちらですよ!ご案内します……」

それは個室から出てきたビジネスパートナーだった。相手もトイレに行きたかったようで、慶がまっすぐ歩けないのを見て、急いで彼を引き寄せた。

慶は眉をひそめた。喉を軽く鳴らしたが、口を開く間もなく、振り返るとさっきまで廊下の奥に見えた人影が、もう消えていた。

……見間違いだろうか?

それとも最近ずっと一花のことで頭がいっぱいだから、幻覚まで見えてしまったのか?

いや、幻覚に決まっている。一花が他の男と抱き合いながらキスするなんて、ありえない。

彼女が一心に愛しているのは、自分だけなのだから。

慶が去った後、隅に隠れていた一花はぼんやりと眉をつり上げた。「……伊集院さん、どうかしました?」

さっきまで柊馬が彼女にキスをしていた。その感触は電流のように全身に痺れるようだったのに、突然、彼は彼女の腰を抱えたまま死角になる隅へと移動していた。

廊下の突き当たりの窓から月光が差し込んできていたが、二人が隅に
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