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第0850話

Auteur: 十一
聡子は呆然とし、信じられないというような顔に変わる。

彼女は手足が冷たくなり、全身が震えた。「あんた……知ってたの!?」

直哉は言う。「俺は馬鹿に見えるか?」

人の息子を育てるなんて?

するわけあるか!

瀬戸家本家の子女は、出まれた後、新生児マススクリーニングをすると同時に、必ず親子鑑定も行われる。

だから直哉は時也の血統を疑ったことは一度もなかった。

聡子のこうした自惚れた手段など、少し手を尽くせばすぐに明らかになることだ。

20年以上も瀬戸家を騙し続けたと、得意になっていたが。

結局……

最初から最後まで、馬鹿だったのは自分だけだなんて!

聡子は茫然とした目で見上げる。「どうして?知ってたなら……どうして私に聞いたの!?」

「さらに深刻な事で追い詰めなければ、自分では大したことないと思っている罪を自ら認めるもんか?」

先ほど、聡子はこれらの詰問に何と答えた?

私のせいで敏子が行方不明になったと言ってもいいし、最初からあなたと結婚するよう仕組んだことを責めてもいい。でもトキを疑わないで!

これらこそ、男が聞きたかった言葉だ。

「あなた……あなた……」聡子は全身が冷え切ったような気分になる。「私を罠にはめたの!?じゃあこの前、アシスタントが持ってきた離婚届も芝居だったの?」

直哉は冷笑する。「トキは後継者として俺は満足だし、瀬戸家のじじぃたちも満足している。俺の後継者のためにも、お前とは離婚しないが……」

聡子の締め付けられていた心が、思いっきり緩んでしまう。

「もう他の子供も作らない」

聡子の表情はぼんやりしている。

直哉は続けて言う。「これからもお前は瀬戸家の奥さんだ。俺によい息子を産み、瀬戸家に優秀な後継者をもたらしてくれたからね。だが、それだけのことだ」

彼は周囲を見回した。「この家には二度と戻らない。今後はお前の電話にも一切出ない。毎月決まった生活費は支給するが、社交の場には一切出席を許さない。家では使用人がお前を監視する。外出の時にも運転手が付き添い、『瀬戸家の奥さん』という肩書を汚すような行為をしないよう見張るから」

「もちろん、離婚したい時になったら、離婚しても構わない。アシスタントに前もって連絡して、時間を決めれば、俺は確実に役所の前に現れる」

「それ以外、俺たちの人生にはもう交わりがない。お前はトキ
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