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第274話

Author: 十一
朝食を済ませた凛は掃除を始めた。

半月も掃除していなかったせいで、ほこりが結構たまっていた。

午前中の時間はあっという間に過ぎた。

昼休みの後、彼女は買い物に出かけようと服を着替えたところで、すみれから電話がかかってきた——。

「凛、家にいるの?」

「いるよ。どうしたの?」

「き、急にあなたの作る料理が食べたくなったわ」

長い付き合いの凛は、すみれの声のから彼女の様子がおかしいとすぐ気づいた。

「どうしたの?何かあったの?」

「別に……ただ長い間会ってなくて、寂しかったの」電話の向こうの声はこもっていた。

凛は少し間を置き、追究をせずに言った。「来ていいよ。ご飯作ってあげる」

「わかった!40分後には着く!」

凛は急いで買い物に出かけ、帰宅したとき、すみれもちょうど到着した。

ドアを開けるなり、すみれは凛にまとわりついて離れようとしなかった。「やっぱりあなたが一番だよ。私の好きなものばかり買ってくれて」

凛は彼女の言葉に込められたわずかな恨みを感じられた。真白さんに関わることかもと察した。

「いいから、座って待ってて。すぐ料理するから」

「うん!」すみれはおとなしく頷いて、良い子の学生のようだった。

50分後、テーブルにはすみれの好物ばかりが並んでいる。

「凛、家にお酒はある?二人で飲まない?」

「冷蔵庫にビールがあるけど、飲む?」

「飲む!」

すみれは明日仕事が休みで、ちょうど凛も二連休だった。

料理はほとんど手つかずだったが、酒はかなり飲んだ。

ビールはアルコール度数が低いとはいえ、彼女は次々と飲み干すとさすがに頭に来る。

飲み終わる頃には、すみれの頬は赤く染まり、目もうつろになっていた。

日が暮れかかっているのに、彼女がまだ止める気配を見せないから、凛は頭を抱えそうになった。

「酒は?またなくなっちゃったの。あと2本持ってくる——」

そう言うと、すみれはふらつきながら、冷蔵庫の方へ歩き出した。

しかし2歩も歩かないうちに転びそうになり、凛が慌てて彼女を支えた。

「危ない!倒れちゃうよ!」

すみれは唇を尖らせた。「凛、私の実力を信じていないの?たかがこれだけの量で、酔って歩けなくなるわけないでしょう?さっきは……つまずいたの、そう、つまずいただけなの!」

凛の唇は引きついて呟いた。「自分が酔ってると認
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