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第3話

Penulis: こころの栄養ドリンク
そのことで頭にきた私は拓也に冷たい水をぶっかけて目を覚まさせてやった。

すると私の鋭い視線に負けて、拓也はついに白状した。

彼、実はスーパーモデルみたいな体型が好みなんだって。

ウエストが細くて、脚が長くて、胸は小さいのがいいんだと。

そのただ一つだけ最後の条件を除けば、私は拓也の理想のタイプそのものだった。

拓也が本音を打ち明けてくれて、私はやっと理解することができた。

どうりで、彼はいつも私に胸を小さく見せるように言ってきたわけだ。

口では「他の男に見られると嫉妬する」なんて言ってたけど。

本当は、拓也自身が受け入れられないだけだったんだ。

トイレから戻ると、拓也は視線をさまよわせながら近寄ってきて、また手術の話を蒸し返してきた。

しかし、私が返事をするより早く、突然、知らない番号からメッセージが届いた。

【君のスタイルはすごくいい。拓也は見る目がないだけ。手術なんてする必要ないから】

あの男だ。

私は唇をきゅっと噛んで、グラスの炭酸水を一気に飲み干した。

そしてこう返信した。【休憩室へ行くんだけど、一緒に来る?】

すると、相手はびっくりしたみたいで、ずいぶん経ってからやっと返信がきた。

【本気?】

【もちろん】

【急すぎるよ。まだ心の準備ができてない】

【じゃあいい。それなら、私一人で行ってくるから】

【待って!】

【行くよ】

相手が食いついてきたのを見て、私は拓也にひと声かけた。

そして席を立とうとした、その時。個室のドアが開けられた。

目を上げると、入り口にマタニティウェアを着た女の人が立っていた。

彼女はきょろきょろと周りを見渡していて、明らかに誰かを探しているようだった。

またどっかの遊び人のボンボンが、誰かのお腹を大きくしちゃったみたい。

どこのろくでなしがやらかしたんだろうって、私もちょっと興味津々だった。

そしたら次の瞬間、その女の人は拓也の前にやってきて、泣きわめきながら彼に責任を取れって騒ぎ出した。

近くで見ると、たしかにその女の体型は、拓也の好みどストライクのようだ。

拓也にはもう何の感情もなかったけど。

でも、こういうことに腹が立たないわけがない。

だって、私もちょうど浮気をしようとしているのだから。

なんだか先手を取られたみたいで、気が収まらないのだ。

ただ出来心でネット上でちょっかいだしているのかと思っていたが、まさか相手を妊娠させてしまっていたなんて。

どうやら私は拓也を見くびっていたようだ。

何と言っても私たちのような内輪では面子は何より大事だから。

我慢にならなかった私は拓也に言い訳させる隙も与えず、思いっきりビンタを一発お見舞いして、振り返りもせずにその場を去った。

そして、謎の人物と休憩室で会う約束なんて、すっかり忘れていた。

帰り道、考えれば考えるほどむしゃくしゃしてきて、私は行き先を変えてバーに直行した。

失恋したうえに、浮気しようとしたら逆にされてたなんて。パーっと飲まなきゃやってられない気分だった。

私は拓也行きつけのバーに行って、彼がキープボトルしている高いお酒を全部出すように言った。

そして、その場にいた人全員に振る舞った。

拓也のキープボトルを全部空にして、私はやっと少しだけ気分が晴れた。

強いお酒を何杯も喉に流し込むと、頭がだんだんぼーっとしてきた。

ふと、隣に座っている人に目をやった。

蓮によく似てるような気がした。

彼も飲みに来てるのかな?

まさか。

たしか拓也が言っていた、蓮はこういう場所が嫌いだって。

だけど拓也とここに来るたびに、いつも蓮を見かけていたような気もした。

「大丈夫?」

そう思っていると蓮は心配そうに私を見つめて、様子を伺ってきた。

どうやら私、本当に飲みすぎたみたい。幻覚まで見るようになっているのだから。

私は力いっぱい首を振った。

しかしそのせいで、重心を崩してしまって、体ごと後ろに倒れこんで……

きゃっと声を上げる間もなく。

私は、がっしりとした腕に抱きしめられた。

それはほんの一瞬の出来事だった。

相手は、とても紳士的に私を椅子に座らせてくれた。

目の前を、彼の指の残像がかすめた。

なぜだろう。

その光景が、記憶の中にあった腹筋の写真に写っていた、骨ばった手と重なっていくのだ。

私、本当にどうかしてるみたい。

少しでも頭を冷やしたくて、私は氷水をもらった。

グラスに手を伸ばしたとき、うっかり隣のスマホに触れて画面が光った。

それは、私のスマホじゃなかった。

なのに、待ち受け画面は私の写真だった。

角度からして、明らかに盗撮されたものだ……

次に目を覚ますと私はベッドの上にいた。

周りの様子を見渡してみると、そこは見慣れた私の部屋だった。

ってことは、私、夢を見てたの?

でも、たしかにバーへ行って、たくさんお酒を飲んだはず。

そのあと酔っぱらってからのことは、何も思い出せない。

そこへ使用人が、酔い覚ましの薬を持ってきてくれた。

私は彼女に、昨日の夜は誰が送ってくれたのか訊いてみた。
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