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第1237話

Auteur: 木真知子
立場を入れ替えて考えてみれば、もし自分だったとして――どれほどこの男を愛していても、これから先、朝も夜も顔を合わせるたびに、「自分は妊娠できない」という事実が胸を刺し、鬱々と苦しむだろう。

そんなふうに自分を否定して傷つけ続ければ、恋の幸福なんて、日を追うごとに擦り減って消えていく。

まったく、災難続きの二人だ。そして、答えのない難題だ。

それでも陽汰は、これ以上事態が悪化するのが怖くて、必死に言葉を絞り出した。

「樹......どんな事情があっても、隼人は桜子とお前の命の恩人だ。あの人が命懸けで助けてくれなかったら、お前が生きて帰れるわけがない。俺だってもう二度とお前に会えなかった!ここで殴ったら、もっと多くの人が苦しむ。桜子だって......!」

樹の目はまだ真っ赤に充血していたが、それでもゆっくりと拳を下ろした。

「隼人。お前は確かに俺の命を救った。だから、今回は見逃してやる。だが、これから先――俺の前に二度と姿を見せるな。桜子の人生にも、二度と関わるな。

今までお前が彼女に与えた傷は......俺は許せた。だが、これだけは別だ。死んでも、腹の底で飲み込めない」

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