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第 350 話

作者: 柏璇
「もらっておいて。人を口説いて彼氏になろうっていうなら、誠意くらい見せないと」拓海は、由紀子の一件をいまだに根に持っていた。

彩乃は何も言わなかった。

……

中村家。

空気は、重かった。

康弘も栄吉も、ひどく険しい顔をしていた。

由紀子は、黙ったまま。

亮介は上座に座り、由紀子を見つめていた。「お母さん、どういうつもり?」

由紀子は深く息を吸い込んだ。「こんなことが広まるとは思わなかったのよ。明菜も悪気はなかったはず。ただ、何気なく話したことを誰かが聞いて、話を大きくしたんだと思う」

康弘が鋭い声を上げる。「君が言わなければ、そんな隙はできなかった! 直政の狙いは、中村家と高瀬家の関係を壊すこ
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