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第357話

Auteur: 小春日和
奈津美はシートベルトを外したばかりだったので、急発進の衝撃で頭をぶつけそうになった。

「シートベルトを締めた方がいい。でないと、脳震盪を起こすかもしれないぞ」

「もう!」

冬馬に言われ、奈津美は慌ててシートベルトを締めた。

パトカーは、冬馬が包囲網を突破するとは予想していなかった。

冬馬の車が一般道路に出ると、さらに多くのパトカーが出動し、彼を取り囲んだ。辺りは大渋滞になった。

ここは都心の一等地だ。ここで事故を起こしたら、明日のニュースになるのは間違いない。

四方八方からパトカーが迫ってくるのを見て、奈津美は「終わった......」と思った。

もう終わりだ。

完全におしまいだ。

奈津美は、こんな厄介な男を怒らせてしまったことを後悔した。

周囲の車はクラクションを鳴らし、冬馬の車にどいてもらおうとしていた。

パトカーは冬馬の車のドアをこじ開けようとしていた。

奈津美は窓の外の警官を見て、不安になった。

お願いだから、これ以上騒ぎが大きくならないように。ニュースにならないように。

一方、黒川グループでは。

「何だって?」

涼は聞き間違えたと思った。

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