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第2話

Author: クルミ
「隼翔、前のことには事情があったの。説明するから、ね、一緒に来てくれない?」

紗奈は心の奥に渦巻く悔しさを必死に押し殺し、もう一度縋るように声をかけた。

どうしても隼翔との長年の絆を、こんな形で終わらせたくはなかった。

幼い頃からの付き合いと十数年にわたる想い――隼翔はもう、彼女にとって切り離せない存在になっていたのだ。

もしかしたら、昔のように隼翔が自分を信じてくれるかもしれない。紗奈には、そんな最後の希望がまだ残っていた。

けれど、その時の隼翔の声色には、これまでにない苛立ちがにじんでいた。

「昔のことを責めるつもりはないし、お前を恨むつもりもない。

だけど真奈は、お前の実の妹だろ。あんなに弱ってるんだから、少しは思いやってやれよ!」

信じられないものを見るように、紗奈は目の前で怒りをあらわにした隼翔を見つめた。

目尻からは止めどなく涙が溢れ出した。

紗奈と真奈――二人の関係はずっと犬猿の仲だった。

当時、真奈の母親は不倫をしており、何度も紗奈と母親の前に現れては挑発した。

そのせいで母親は病を発症し、病院に運ばれたが、命を救うことはできなかった。

わずか8歳だった紗奈は、こうして唯一心から愛してくれた母親を失った。

その事実を、幼馴染の隼翔は全て知っているはずだった。

そして当時の隼翔は、紗奈の手を握りしめ、一緒に戦うと誓ってくれたのだ。

だが、年月が流れるにつれて、紗奈は憎しみを心に抱えたままでは生きていけないと理解するようになり、なんとか表面上は平穏を装うようになった。

まさか今になって、隼翔が自分に「真奈は実の妹だから大目に見ろ」などと言うとは思ってもみなかった。しかも、真奈と自分の結婚を受け入れろ、と迫る言葉で。

その言葉を聞いた瞬間、紗奈はもう隼翔を待つ必要はないと感じた。

母が病床で息も絶え絶えになっていた時、彼女は誓ったのだ――二度と同じ過ちは繰り返さない、と。

まして、真奈と同じ男を奪い合うような未来など、絶対に選ばない。

「分かった……じゃあもう邪魔しないわ。

ご結婚おめでとう」

紗奈は笑みを浮かべると、そのまま背を向けた。

その言葉に、隼翔の表情がかすかに歪み、視線を逸らさずに彼女を見つめる。

「待って」

先に声を上げたのは真奈だった。口元には残酷な笑みが浮かんでいた。

「お姉ちゃん、今日は私の結婚式なのに、お姉ちゃんの祝福がなかったら未完成でしょ?

だから一緒に入場してよ。ね、いいでしょ?」

爪が食い込み指先が真っ白になるほど、紗奈の拳は固く握られていた。痛みと吐き気で心臓が締め付けられる。

「体調が悪いから……ごめんなさい」

隼翔が止めてくれると一瞬思った。だが彼は、まるで腹を立てた子供のように黙ったまま立ち尽くしているだけだった。

彼の無反応を確認した真奈は、さらに図々しく言い募った。

「大丈夫、私のかかりつけの医者がいるから、お姉ちゃん、心配しなくてもいいわ。

それでも来ないと言うなら、もしかして、お姉ちゃんは私たちの結婚を望んでいないの?私の夢を叶えさせてあげたくないの?」

紗奈は唇の端をわずかに持ち上げた。何年経っても、妹の小細工は幼稚なものだと失笑してしまう。

「じゃあ決めて、隼翔。あなたは私に、二人の結婚式を見届けてほしいの?」

最後の機会を与えるつもりで、紗奈は彼に選択を委ねた。

しかし、真奈が彼の腕にしがみつき、蒼ざめた顔を上げているのを見ると……隼翔の心はまた揺らいでしまった。

「真奈がそう望んでるんだ、来てやってくれ。どうせ演技なんだから。

俺はここ数年、真奈にあまりにも多くの借りができた。だからお前は大人になれ……分かってくれるよな?」

最後の希望が音を立てて砕け散り、紗奈は短い沈黙ののち、ゆっくりと頷いた。

「分かった。じゃあ一緒に行く」

これはきっと、かつて自分が何も言わずに消えてしまったことへの罰なのだ。

今日が終わったら、彼女は海外に戻り、隼翔とは完全に縁を切るつもりだった。

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