Partager

第 315 話

Auteur: 一笠
「大丈夫だ......」大山は首を横に振った。「嬉しくて......心配するな」

「凛さん、大山様は本当に喜んでいらっしゃいます」

執事はベッドの傍らに立ち、微笑んで言った。「病気になってから、大山様がこんなに元気なのは初めてです。今朝は、お庭で日光浴もされたんですよ。

大山様は、凛さんがご存命だと知ってから、毎日私にあなたのニュースを読ませています。あなたが元気でいると知って、とても喜ばれています。どんな薬よりも効果がありますよ」

それを聞いて、凛は申し訳ない気持ちになった。「おじい様、すみません。もっと早くお見舞いに来ればよかったのに、私のせいで......」

「お前のせいじゃない」

大山
Continuez à lire ce livre gratuitement
Scanner le code pour télécharger l'application
Chapitre verrouillé

Dernier chapitre

  • 夏目さん、死なないで! 社長のアプローチが始まった!   第 1057 話

    凛が微笑んだ。聖天は、世界が輝きを増したように感じた。......1ヶ月にわたるヨーロッパ旅行が終わっても、凛はまだ授賞式の夜を忘れられなかった。妊娠後期になるにつれ、体は重くなっていったが、それでも凛は毎日撮影の仕事に忙しく、充実した日々を送っていた。その間、朔の裁判も行われていたが、判決は弁護士の予想とほぼ同じだった。その日、テレビでニュースが流れていた。「綾辻朔死刑囚の死刑が、本日午前に執行され......」その時、梓には朔の最後の瞬間が見えた気がした。ちょうど凛の検診中だった梓は、一瞬、動きを止めてしまった。凛は梓の手を握り、優しく言った。「梓、これで本当に自由になっ

  • 夏目さん、死なないで! 社長のアプローチが始まった!   第 1056 話

    結婚式の後、聖天は凛と新婚旅行で海外に出かけた。ヨーロッパのカフェで休憩していると、弁護士から電話がかかってきた。「本日の公判は順調に進みました。このままいけば、あと1ヶ月で手続きが完了し、判決が下されるでしょう。綾辻さん、おそらく死刑は免れないかと。自首したあの『ウルフ』という男は、おそらく無期懲役、優奈さんに関しては......7、8年の懲役になると思われます」......弁護士は公判の様子を詳しく説明していたが、コーヒーを運んでくる凛の姿が目に入ると聖天は、「分かりました。残りは任せます」とだけ返事をした。凛も今日は公判の日だと覚えていたので、コーヒーをテーブルに置き自分も座

  • 夏目さん、死なないで! 社長のアプローチが始まった!   第 1055 話

    二人は微笑みながら見つめ合った。この光景に、参列者たちは皆、深く感動した。雪は涙を拭いながら呟く。「聖天が凛と結婚できたことは、もちろん聖天にとっての幸せなんだけど、私たちにとっても大きな喜びね......」ふと視線を向けると、慶吾もこっそりと涙を拭っているのが見えた。雪に見つめられたことに気づいたのか、慌てて手を止め、背筋をピンと伸ばす。雪は涙を拭うと、微笑んで言った。「もう誰もあなたのことなんて見ていないんだから、泣いたってどうってことないわよ」「泣いてなんかない。こんなめでたい日に、なぜ泣く必要があるんだ?」慶吾は鼻をすすり、真面目な顔で言った。「目にゴミが入っただけだ」雪は

  • 夏目さん、死なないで! 社長のアプローチが始まった!   第 1054 話

    真っ青な空には白い雲が浮かんでいる。昨日の夕方から、続々と招待客が島に到着し、別荘地にチェックインしていた。普段裕福な暮らしをしている彼らも、島の装飾に驚きを隠せなかった。島全体が美しく飾り付けられ、甘い雰囲気に包まれている。青と白を基調とした花々が桟橋から式場となる芝生まで敷き詰められていた。今までの霧島家はパーティーを開く際、仕事関係の人だけを招待していた。しかし今回は、雪が芸能界の重鎮たちを招待していた。それに、美雨も凛を応援するために多くの芸術家仲間を招待したのだった。招待客リストが完成した時、慶吾は思わず驚いた。「島が人で溢れかえってしまうんじゃないか?」すると輝が驚き

  • 夏目さん、死なないで! 社長のアプローチが始まった!   第 1053 話

    「来る途中慶吾と話したの。夏目家を出て、霧島家に嫁ぐという決断をしてくれたあなたを、私たちは絶対に裏切らないようにしよう、って。それに今、あなたは妊娠しているのよ。これから10ヶ月もの間、とても大変だと思うし、出産だって命懸けのことなの。だから、もし私たちにできることが少しでもあるのなら、何でもさせて欲しいなって思って」雪は凛の肩に手を置きながら言った。「もしあなたが断ったら、私たちは悲しいわ。あなたのために何かしたいの」ここまで言われたら、もう断ることなんかできないだろう。凛は少し考えてから頷いた。「ありがとうございます。お父さん、お母さん」慶吾夫妻はすぐに満面の笑みになった。「そう

  • 夏目さん、死なないで! 社長のアプローチが始まった!   第 1052 話

    笑いを堪える凛の声に、聖天はほっと胸を撫で下ろした。「何か良いことでもあったのか?」「うん」凛は手に持った妊娠検査の結果を見ながら、嬉しそうに言った。「そんなに私に会いたいんだったら、聖北病院まで来て」本来であれば、拘置所から聖北病院までは車で1時間ほどかかるのだが、期待に胸を膨らませた聖天は50分もかからずに到着した。車を停め、遠くから入口に立っている凛の姿を見つけた聖天は、すぐに車を降り、彼女に向かって大股で歩いて行った。凛は幸せそうな笑顔で、両手を広げ、聖天の胸に飛び込んだ。「私、妊娠したの」「なんだって?」聖天は驚き、凛の肩を掴んで少し突き放した。「もう一度言ってくれ」そ

  • 夏目さん、死なないで! 社長のアプローチが始まった!   第 811 話

    その一言は、まるで何でもないことのように聖天の口からこぼれ落ちたが、雪の胸の奥に深く突き刺さった。一瞬、胸につかえていたものが一気に消え去り、温かいものが波のように押し寄せてきた。彼女は感極まって涙をこぼし、聖天にぎゅっと抱きついた。「うぅ......聖天......やっぱり、お母さんのこと、分かってくれるよね......」聖天は微動だにせず、雪に鼻水と涙を服に擦り付けられるままにしていた。凛が豚骨ラーメンを持って出てきた時、雪はまだコアラのように聖天にしがみついていた。なんだか微笑ましい光景だった。このままでは、ラーメンが伸びてしまう。凛は軽く咳払いをした。「おばさん、ラーメンが

  • 夏目さん、死なないで! 社長のアプローチが始まった!   第 837 話

    「自分のことを渚の実の叔父だって言ってるくせに、彼女を地獄に突き落とそうとしてるんじゃない!そうだ」雪は何かを思い出したように言って、冷笑した。「そういえば、2年前に夏目家と親しくしてたわよね。まさか、夏目家から頼まれて、誠也の味方をしてるんじゃないでしょね?恒夫、人脈作りたいからって、弟の娘を利用するなんて、人でなしもいいところよ」その言葉を聞いて、修平の顔色は変わり、すぐに恒夫の手を振り払った。修平は何も言わず、ただ恒夫をじっと見つめ、その瞳は失望と怒りに満ちていた。目の前にいるのは、紛れもなく兄の恒夫だった。なのに、まるで別人のように思えた。それを見て、恒夫は慌てて言った。「

  • 夏目さん、死なないで! 社長のアプローチが始まった!   第 838 話

    午前中ずっと、凛は渚の部屋にいた。誰も邪魔する勇気はなかった。雪もそのせいで霧島家に留まっていたが、慶吾には目もくれなかった。慶吾はなんとか雪の気を引こうと、そばをうろうろしていた。しまいには雪に苛立ちをぶつけられてしまう。「自分の書斎にいたらどうなの?」「書斎じゃ狭すぎるし、ここが一番気持ちいいんだ」慶吾は当然のように言い返した。「じゃあ、庭に行けばいいじゃない?ここにいたら邪魔よ、分かってる?」雪は慶吾を睨みつけた。強気な言葉とは裏腹に、杖をつきながら歩く慶吾の姿を見て、胸が締め付けられた。彼を見ると、どうしても心が揺らいでしまう。だから、見ない方がましだと思ったのだ。「も

  • 夏目さん、死なないで! 社長のアプローチが始まった!   第 835 話

    雪はいてもたってもいられず、「渚がこのニュースを見たら、どうなっちゃうの?かわいそうに、一体どうすればいいの......」と呟いた。「一体どういうことなの?誰かを怒らせたっていうの?どうしてここまで彼女を苦しめるのよ!まるで生きる道を与えないつもりみたいじゃない!」雪はそう言うと、こらえきれずに涙を拭った。「明彦に頼んで噂の出所を潰させたんだが......」聖天は言葉を切り、眉根を寄せた。「噂はウイルスのように拡散していて、完全に消す方法は無い」凛は深刻な面持ちで、「噂を流した人物は、誠也に贈り物をしてきた人物と同じでしょね。一体何を企んでいるのかしら?」と独り言ちた。「何を企んでい

Plus de chapitres
Découvrez et lisez de bons romans gratuitement
Accédez gratuitement à un grand nombre de bons romans sur GoodNovel. Téléchargez les livres que vous aimez et lisez où et quand vous voulez.
Lisez des livres gratuitement sur l'APP
Scanner le code pour lire sur l'application
DMCA.com Protection Status