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第1058話

Author: かおる
清子は言った。

「証拠なんて、きっとあの女が拾ったものよ。

仁志、あんな戯言、絶対に信じないで!」

仁志が手を貸してくれなければ、彼女に待っているのは、行き止まりしかない。

今の彼女にとって、頼れる相手は、仁志しかいなかった。

仁志は言った。

「お前の言うことも、一理ある。

だが、少し調べさせてほしい。

その間、連絡は控えよう。

もし俺の誤解だったなら、そのときは補償する」

清子は、まだ何か言おうとしたが、仁志はすでに電話を切っていた。

通話を切られた画面を見つめながら、清子は歯ぎしりした。

もし優芽利が邪魔をしなければ、妊娠を装った件も、仁志に手を回してもらい、雅臣との結婚までこぎ着けられたかもしれない。

それが今は、優芽利の横槍によって、すべてが水の泡となった。

もし――

もし、優芽利さえいなければ。

邪魔者がいなくなれば、すべてうまくいくのではないか。

そう考えた瞬間、清子の瞳の奥に、深く冷たい光が宿った。

ネズミのように闇に潜んで生きるくらいなら、いっそ死んだほうがましだ。

仁志が本気で力を貸してくれるのなら、多少の危険を冒す価値はある。

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