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第 1351 話

작가: 水原信
「梨花、どこへ行くつもりなの?」

梨花の母は慌てて立ち上がり、娘のもとへ駆け寄った。

梨花の父もすぐに後を追い、無言でスーツケースを手に取った。

「気分転換に出かけるっていうなら反対しない。けど、今日はもう遅いんだ。早めに休んだほうがいいよ」

「出かけるわけじゃないの。ただ友だちの家に泊まりに行くだけ。海咲のところよ。あなたたちも知ってるでしょ?」

心配されるのをわかっていた梨花は、あえて海咲の名前を口にした。

確かに、梨花の父も母も海咲のことは知っていた。

だが、ふたりは目を合わせると、どちらからともなく黙り込んだ。

――それはそうだ。梨花と清が出会ったのは、まさに葉野グループでのことだった
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