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第1037話

Auteur: 浮島
彼女は遥樹の手を握った。

「だから、もう心配しないで。私と瑛司がよりを戻すなんてことは、あり得ないから」

遥樹の目がわずかに揺れた。

だが、最初に気にしたのは復縁のことではなかった。

「その夢を見たのは、いつ?」

蒼空は少し考えてから言った。

「数年前かな。まだ松木家にいた頃だと思う。正確な時間はもう、あまり覚えてないけど」

あれほど強くて芯のある蒼空が、ここまで鮮明に覚えている夢――

遥樹の胸に、言いようのないためらいが生まれ、漠然とした嫌な予感が広がった。

彼は手を上げ、指の腹で蒼空の頬にそっと触れ、低い声で尋ねた。

「......どこで、海に飛び込んだの?」

何年経っても忘れられない「夢」。

それは、もしかすると現実だったのではないか。

その可能性が頭をよぎった瞬間、遥樹の心臓はぎゅっと縮み、胸の奥からひそやかな痛みが滲み出た。

蒼空は瞬きをし、胸の奥が少し沈むのを感じながらも、わざと軽い調子で笑みを浮かべた。

「夢の中の海なんて、現実にあるわけないでしょ。たしか、ドアを開けたらいきなり海が見えた、みたいな感じだった気がする......そんな場所、き
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