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第111話

Penulis: 浮島
蒼空は、瑛司の胸に強く抱き締められていた。

全身が熱く震え、抑えきれない渇望とともに、両手で彼の衣の襟を掴みしめる。

視界は霞み、息も乱れる。

「えい......じ......」

掠れた声が小さく震え、空気にさらされた瑛司の首筋から、彼女を惹きつけてやまない温もりと香りが漂う。

暑い――

体中から汗が噴き出すほどに。

瑛司の匂いは甘く、それでいて彼女が渇望する冷気を帯びている。

この人に触れていれば、きっと楽になれる。

魅入られたように、襟を掴んでいた手をそっと離し、熱を帯びた両掌を彼の首筋に添える。

指先で、首筋の滑らかな肌を夢中でなぞり続けた。

小さく囁く。

「ほしい......」

ぼやけた視界の中で、彼の喉仏がひときわ大きく上下するのが見えた。

誘われるように、親指の腹でその喉仏を押さえる。

次の瞬間、低く沈んだ声が耳に届いた。

瑛司は抱く腕に、さらに力をこめる。

伏せた瞼の奥、鋭く黒い瞳が、読み取れない感情を宿して彼女を射抜く。

「大人しくしろ」

低く、豊かな声が耳の奥に染み込み、蒼空の心臓が跳ねた。

彼女はゆっくりとまぶたを上げ、彼の顔を見つめる。

だが、その輪郭は徐々にぼやけていく。

これは......誰?

自分は今、何をしているのか。

わからないまま、彼の首にしがみつき、仰いだ顔を近づける。

唇を伸ばし、必死にその首筋へ届こうとする。

「......ほしいの......」

けれども届かない。

どうしても触れられない。

「なんで......届かない......?」

声は震え、涙混じりに滲む。

爪を立て、首筋の肌を強く引っ掻く。

「ちょうだい......ほしいの」

再び喉仏が上下し、男はゆっくりと顔を近づけてきた。

好ましい香りがますます濃くなり、蒼空は酔ったように唇を寄せ、喉仏に食むように触れる。

焦れたように、そこを、そしてまた別の場所を、唇で何度も探った。

男の低い唸りが耳に入り、頬が痺れるように熱くなる。

数秒後、彼女は車へ運び込まれ、後部座席に押し込まれた。

男は離れようとするが、慌てて彼の腰に腕を回す。

「行かないで......」

額の血管が浮き、眉間に深い皺が刻まれるのが見えた。

彼は彼女をそっと引き剥がし、シートベルトをかける。

「いい子にしてろ。病院に連れ
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