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Auteur: 水沼早紀
last update Date de publication: 2026-07-06 22:03:27

「今日からよろしくお願いします、四之宮さん」

「あなたも今日から四之宮じゃないですか、舞美絵さん」

「……そうでした」

月が変わり六月に入ってすぐの大安吉日の日を狙って、私たちは婚姻届を提出した。

無事に受理もされ、私たちは晴れて正式に夫婦となった。

「今日からば賢哉゙と、名前で呼んでくれると嬉しいけど」

「賢哉……さん?」

「なんで疑問形? まあいいけど」

夫婦になったばかりの私に、賢哉さんは「舞美絵さんは、かわいい人だね」と笑っている。

「え? か、かわいい?」

突然の「かわいい」はびっくりしてしまうので、やめてほしい。

「舞美絵」

「……えっ?」

今……舞美絵って、呼び捨てにしたよね?

「今日から、舞美絵って呼んでいい?」

「……あ、お好きにどうぞ」

いきなりの「舞美絵」呼びもびっくりしてしまった。 でも……なんか嬉しい。

「じゃあ、舞美絵って呼ぶことにするね」

「はい」

舞美絵……なんか、賢哉さんに呼ばれるのはちょっと特別な感じがある。

雪輝にも舞美絵って呼ばれてたけど、それとは違う呼ばれ方に聞こえる。

「あのさ、舞美絵」

「はい?」

「ううん、呼んで
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  • 婚約破棄×0日婚で逆転の幸せを掴んだら、生涯愛されました。   63

    あれからお腹の子は、順調に元気に育っている。「ただいま、舞美絵」「おかえりなさい、賢哉さん」数ヶ月前までパパになる実感が湧かないと言っていた賢哉さんだけど、最近はパパになる実感が湧いているようだった。 「ただいまー、元気だったか?」家に帰るといつも、お腹の子に話しかけている賢哉さんは、もうすっかりパパの顔になっている。仕事がいつも忙しい賢哉さんだけど、賢哉さんは日々麻薬取締官としての仕事を全うしている。 私はそんな賢哉さんのことを尊敬しているし、これからも尊敬し続ける。「今日もね、すごく動いてるの。 元気すぎるくらいにね」「そうか。それはいいことだな」「うん」お腹の子が男の子だとわかった時、きっと賢哉さんは嬉しかっただろうなと思う。 性別がわかったのは、大体妊娠五ヶ月目の時だった。賢哉さんにはちゃんと男の子だとわかってから、教えてあげたいと思ったから、私はサプライズ的な感じで伝えた。賢哉さんはとても嬉しかったみたいで、私のことを子供ごと抱き締めてくれた。「男の子かあ……産まれて来るのが楽しみだな」「うん、本当に楽しみだね」この子は、どんな子に育つだろうか。「賢哉さん、ご飯食べるでしょ?」   「ああ、腹減ってる」  「今用意するから待っててね」私はキッチンへ向かいビーフシチューを温める。「今日はね、久しぶりにビーフシチューにしたの」「ビーフシチューか。いいな」  テーブルに二人分のビーフシチューとサラダを並べる。「さ、食べよう」「ああ、食べよう」二人で「いただきます」と手を合わせ、ビーフシチューを口にする。「ん、美味い」 「本当? 良かった」家で賢哉さんとこうしてご飯を一緒に食べられる喜びがあるって、幸せだ。「ビーフシチュー、本当に美味しいね」「ああ、すごく美味い。 舞美絵と一緒に食べているから、より美味いのかもな」賢哉さんは微笑みながら「俺は舞美絵と一緒に食べるご飯が、一番美味くて好きだよ」と言ってくれた。「嬉しい。ありがとう」賢哉さんと一緒にご飯を食べる時は、二人で他愛もない話をする。「最近寺巻のヤツ、いい感じの人がいるらしいんだけどさ」「え、そうなの?」寺巻さんにもついに彼女が……?「なんか、距離の詰め方がわからないって悩んでるみたいなんだよな」「距離の詰め方、か……。結構そ

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    私たちなら、この幸せをずっと守れる。愛おしい家族が増える喜びも、これから一緒に親になっていく覚悟も、全部二人で分け合えるから。この愛おしい気持ちを、私は彼と二人で噛み締めていきたい。「俺には、舞美絵とこの子がいれば充分だ。 他にはもう、何にもいらない」「……私も、賢哉さんとこの子がいれば、もう何にもいらないな」「そうだな」私たちは、この子が産まれて来るのを今から楽しみにしてるんだ。 新しい家族が増えることを、心待ちにしている。「悪阻、平気か?」「うん、今のところ大丈夫」「ゆっくり休んでて、舞美絵」「ありがとう」私は、彼と家族になったあの日から、私の心に灯を灯してくれている。✱ ✱ ✱「舞美絵、行ってくるな」「あ、ちょっと待って」 「ん?」  私は賢哉さんに朝握ったばかりのおにぎりを手渡した。「はい、おにぎり。 今日もお仕事頑張ってね」「いつもありがとう、舞美絵。助かるよ」仕事に向かう賢哉さんに「行ってらっしゃい」と手を振った。「よし、洗濯しよっと」 あれから数ヶ月が経ち、私のお腹は以前よりも大きくなった。 無事に安定期を迎えることも出来、お腹の子の経過も順調だ。最近ではお腹の子の鼓動を感じるようになり、動くのがわかるようになってきた。 もちろん、出産まではまだまだなので、油断は禁物だ。  悪阻に耐えながらの数ヶ月は本当に辛いことも多かったけど、賢哉さんが隣にいてくれたから頑張って乗り越えることが出来た。私は一人じゃないからこそ、頑張れたと思う。「赤ちゃん、元気ですか? 居心地はいい?」  鼓動を感じるようになってから、こうやってたまに赤ちゃんに話しかけたりしているけど、聞こえているのかはわからない。   だけどちゃんと感じるその鼓動は、私たちが一番嬉しい。 この子がちゃんと生きているって、一番近くに感じる。 「ママとパパは、あなたが産まれて来るのとても楽しみなの」お腹の中で動くたび、そう思う。 お腹の中で動いている時、この子はちゃんと生きているんだと感じる。 賢哉さんにとっても、それはとても嬉しいことみたいだ。悪阻も落ち着いたところで、私はまた家事を再開し、料理もまた作れるようになった。 ご飯のニオイで吐きそうになることもなくなったので、賢哉さんのためにまた料理が作れることの嬉しさを感じていた。 

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    「寝てていいよ、舞美絵」私は静かに頷く。賢哉さんは優しく隣で頭を撫でてくれる。「辛いよな? 代わってあげられなくてごめんな」「ううん……大丈夫」賢哉さんと一緒に乗り越えていくと決めたんだ。私はここで負けたくない。「俺に出来ることなんて、ちょっとしかないな」「……そんなこと、ないよ。 私、賢哉さんがそばにいてくれるから、頑張れるんだよ」頭を撫でながら、賢哉さんは「そっか」と呟く。「これからも、こうして看病してくれると助かります」「もちろんですよ、奥様」賢哉さんは優しく微笑んだ。 ✱ ✱ ✱あれから賢哉さんに支えてもらいながら、なんとか悪阻を乗り越えていた。 病院の診察でも体重が減っていることを指摘されたが、なんとか食べれるものを食べて過ごしている。「いただきます」今私が一番食べられているのは、フライドポテトだった。 フライドポテトなんて絶対に無理だと思っていたのに、いざ口にしてみたら普通に食べられてびっくりした。唐揚げとかチキン南蛮は無理だけど、フライドポテトだけはなぜか食べたくなって、今はよく食べている。「今日もポテトか?」「うん、ポテトしか無理……」賢哉さんは「そっか。ポテトしか無理か」とポテトを眺めている。「あ、でもね、ハンバーガーも食べたよ」「ハンバーガー食べたのか?」「うん、なんかすごい食べられたの」賢哉さんも「そんなこと言うから、俺もハンバーガー食べたくなってきたな」とソファに座る。「実は、ハンバーガー賢哉さんの分もあるよ」「え、あるのか?」賢哉さんにあのファーストフードの袋を見せると、賢哉さんは「マジか、あるのかよ」と嬉しそうに笑った。「もちろん、あるに決まってるよ」賢哉さんにはもちろん、照り焼きバーガーのセットにした。「しかも俺の好きな照り焼きバーガーじゃん」「そうだよ。私はベーコンエッグバーガーにしたけど」「ずいぶんジャンキーだけど、大丈夫なのか?」私が「それがね、不思議なことにこれはすごい食べられるの」と話すと、賢哉さんは「そっか。食べれるものを見つけたのは良かったよ」と言ってくれた。「うん、本当に。今は毎日これが食べたいくらいだよ」「毎日? そうかあ」賢哉さんも「いただきます」と照り焼きバーガーにかぶりつく。「うん、相変わらず美味いな」 「うん、美味しいよね」どう

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