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第5話

Author: ゆきだま猫
航は家計簿を慎吾の顔に力任せに投げつけた。

パタッ!

開いたノートから、挟まっていた領収書や請求書がバラバラと落ちた。

「よくその汚い目で見てみろ!」航が怒鳴り声を上げた。

父と母は青ざめた。

父が低い声で言った。「蓮見さん、今日は莉奈の誕生日だ。問題は裏で片付けるから、公の場で恥をかかせるな!」

「恥?橘家という存在自体が、一番の恥だろ!」航は笑いながら、目から涙をこぼした。

航は家計簿を拾い上げた。

「お前さっき、彼女が貧乏なフリをしていると言ったな?」

航は家計簿に記された文章を指差した。

「よく見ろ!彼女はがんの治療費を削って、お前らの食費にあてた!

この3年、彼女は一度もきちんとした治療を受けることができず、鎮痛剤だけで耐えてきたんだぞ!

『橘家では食事の一口ごとに金がかかる、薬を買う余裕なんてない』って俺に教えてくれたんだ!」

会場がどよめいた。

ゲストたちは顔を見合わせ、みんな驚いた表情をしていた。

「うそ、がんなのに治療費すら出してもらえなかったの?」

「実の娘になんてこと……ひどすぎるわ……」

「割り勘を徹底してるって噂は聞いたけど?
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