Compartilhar

第6話

Autor: 時の流れ
そのおかげで、私は無事に釈放された。

私が尋問部門を出るその日、入れ代わりに真奈美が連れてこられた。

彼女は目を真っ赤にしていて、自分を連れてきた担当の職員に、必死で言い訳を繰り返していた。

「こんなの全部三浦がでっちあげた嘘です!朔さんに聞けばわかります!私が極秘資料を探ろうとしたことなんて、一度もないんですから!」

そして、真奈美は私に尋ねた。「どうしてこんなことするの?あなたの兄と朔さんがあなたを許さないはずよ!」

しかし、私はそんな彼女を冷たい目で見ると、何も言わずそのまま尋問部門を出た。

……

それから家に帰ったあと、私はまっさきに上司たちへ朔との離婚を申請した。

「三浦さん、君の気持ちはよくわかる。ご主人が君を監禁するなんてひどいことをするとは……本当に許せないな。

彼は恩と愛情の区別がついていない。それに、彼が機密情報を漏らした疑いをかけられている。しかしこれっていう決定的な証拠もまだないんだから、離婚についてはもう一度よく考え直したほうがいいんじゃないのか」

だが、私は首を横に振った。「いえ、離婚のことは、もうずっと考えていました。今回のことがなくて
Continue a ler este livro gratuitamente
Escaneie o código para baixar o App
Capítulo bloqueado

Último capítulo

  • 思い入れはすべて水の泡   第10話

    「でも、あなたに見てほしかったの。私が宇宙へ行く晴れ姿をね。あなたが私のチャンスを何度つぶしたって、私はちゃんとこの場所に立てるんだってことを認めてもらうの。朔、あなたは一生後悔して生きていけばいいわ。真奈美さんを選んだことをね」そう言い終わると、打ち上げのカウントダウンが始まった。私は宇宙服を着て、ためらうことなく宇宙船へと向かった。そして私はメンバーたちと手を取り合い、最後の5秒のカウントダウンを、聞きながら。宇宙船は打ち上がり、私は目を閉じた。それはまるで光の速さを超えたような感覚だった。次に目を開けると、宇宙船はもう宇宙に出ていた。果てしない宇宙が、目の前にぱっと広がっていた。ひとつひとつの惑星が、決まった軌道の上を動いている。そこは、想像もつかないほど広大な世界だった。5日後、私たちは無事に地球へ帰還した。国中の人々が熱狂し、この歴史的な任務の成功をたたえてくれた。職場は私に1年間の休暇をくれた。しばらくゆっくり休むようにって。さらに、上司はわざわざメダルを授与してくれて、私を昇進させてくれた。テレビや新聞の記者たちが職場の前に列を作って、宇宙へ行った私たちを取材しようと待っていた。体調のことを考えて、私は取材を受けなかった。そのかわり、私は本を1冊書いた。宇宙で見たものや、感じたことすべてを綴った本だ。そして私が職場に復帰したのは、1年後のことだった。その頃、職場はまた新しい任務に取り組んでいて、育成中の新人もたくさん増えていた。上層部へ異動することになったので、私は上司のオフィスへ挨拶に行った。そこで、見覚えのある人影を見つけた。兄だった。彼が刑務所から出てきた。かつては指導する立場だったのに、今は雑用係をしているみたいだった。「梨花、戻ってたのか。俺もつい最近ここに来たんだ。お前の様子を見に行こうと思ってたところだよ」兄はぎこちなく立ち上がった。なんだか、すごく気を遣っているみたいだった。そのことは、もう上司から聞いていた。兄が、私の今の住所を彼に聞いて、会いに来たがっていたって。でも、私は住所を教えないように頼んだ。私にとって、彼らのことはもう過ぎ去ったことだから。「ここで仕事してるの?」私は答えずに、そう聞き返した。兄は頷いて、愛想笑いを浮

  • 思い入れはすべて水の泡   第9話

    「それにしても、真奈美さんはこれといって怪しい動きはしていなかった。どうして、君は今回のミッションで彼女が何か企んでいると分かったのか?」私は両手を重ね、前世で、精神病院にいたときに聞いたニュースが頭に浮かんできた。それは真奈美と朔が、ふたりで宇宙に行ったというニュースだ。その時、5年後のニュースではっきりと極秘情報の漏洩があったと報道していたのだ。そのことは、当時大きなスキャンダルになっていた。だから、こう考えた。あのとき真奈美は、宇宙船計画を壊すのに失敗したんじゃないかって。だから、せめて情報だけでも流そうとしたんだろう。でも、そんなこと真司には言えない。生まれ変わったなんて、そんなバカみたいなことを言ったら、私まで捕まってしまう。その想いを胸に、私はふうっと息を吐いて、真司に笑いかけた。「岡田さん、女の勘って聞いたことありませんか?特に、浮気された女の勘は、鋭いんですよ」すると真司はふっと笑った。納得した顔で、話を続けた。「いよいよ明日、宇宙船に乗り込む日だね。緊張してる?」「少しだけ、してます」「実は君の兄と朔さんから、俺に申し出があったんだ。君が宇宙船に乗り込むのを、この目で見たいって。打ち上げが成功するのを見届けてから、罪を償いたいそうだ」と真司は言った。「君の兄も真奈美さんをかばった罪はある。でも、朔さんよりは刑が軽くなるだろう。ふたりに会いたいかい?次に会えるのは、いつになるか分からないよ」だが、私は淡々と微笑んで答えた。「お任せします」……そして宇宙船の打ち上げ当日、朔と兄がやってきた。真奈美が捕まったことで、彼らも自分たちの間違いに気づいたみたいだ。ふたりとも、私を見るなり申し訳なさそうな顔をした。「梨花、佐藤の件はお前の言う通りだった。俺たちがお前を誤解していたんだな。あいつのせいでお前を閉じ込めて……もう二度と宇宙船に乗れなくしようとした。今思うと、俺は本当に最低なことをしてしまったよ!」と兄は言った。ふたりは、上層部の職員に連れられてきていた。自由の身ではないから、手錠をかけられ、人垣から離れた場所に立っているのだった。一方、私が視線を向けると、朔は気まずそうに手錠のかかった手を隠そうとした。その笑顔は、とてもぎこちなく感じられた。「梨花、お前が本当

  • 思い入れはすべて水の泡   第8話

    そう言われ朔は、深くうなだれていた。彼は私の顔をまともに見ることができず、とても居心地が悪そうにしていた。「お前は……いつから知ってたんだ?」「ずいぶん前からよ」私は平然と答えた。「朔、気づいてないと思うけど、あなたは私に嘘をつくとき、いつもより優しくなるの。そして私のご機嫌をとるのは、いつも真奈美さんのことが原因だった」朔は気づいていなかったし、前世で私も気づけなかった。そう言うと、私は唇の端を引きつらせ、前世で自分は如何に愚かだったかを自嘲した。愛されてるかどうかなんて、こんなに分かりやすいことだったのに。それなのに、私は気づけなかったんだ。そう思って私は言葉を続けた。「あなたの真奈美さんへの気持ちは、とっくに特別なものになってた。朔、これが私が離婚したい理由よ」そう言って、私は離婚協議書を手に立ち上がり、部屋を出ていこうとした。すると、朔はひどく動揺した様子で立ち上がると、私を呼び止めた。「違うんだ、彼女には罪悪感しかない!勇太さんを俺のせいで亡くさせてしまったから、ただうしろめたかっただけなんだ!梨花、俺を責めても恨んでもいい。たしかに俺が悪かった。でも、真奈美さんは本当に何も関係ないんだ!長年、夫婦だった情に免じて、彼女のことを見逃してやってくれ。どんな罰でも、俺が代わりに受けるから……」それを聞いて私はぴたりと足を止め、振り返ってちらりと朔を見た。彼は後悔しているのか、それとも納得がいかないのか。きっと、真奈美の未来が私のせいで台無しになるのが悔しいんだろう。このとき、朔の顔は涙でぐしゃぐしゃになっていた。それを見て私はなんだか、ばかばかしくなってきた。結婚して10年、彼が泣くのを初めて見た。それが、真奈美のためだなんて。朔という人間はもう本当にどうしようもなく落ちぶれてしまったようだ。そう思って私は何も言わずに、尋問部門をあとにした。それから宇宙飛行士の選抜が日に日に近づき、私は訓練に全身全霊をそそいだ。今回の選抜試験は、身体能力などの審査のほかに、身辺調査も項目に追加されていた。選抜の2日前、私はわざわざ病院へ行って健康診断を受けた。不安な気持ちで、どきどきしながら結果を待ったが、私の身体に問題はまったくなかった。もちろん、遺伝性の精神疾患もない。

  • 思い入れはすべて水の泡   第7話

    そして彼はとっさに手を振り上げ、怒りにまかせて私を叩こうとした。「梨花!よくもそんなデマで真奈美さんを陥れようとしたな!勇太さんが亡くなったとき、真奈美さんがどれだけ悲しんでたか、みんな見てただろ。二人は公認のおしどり夫婦なんだから、彼女が自分の夫を手にかけたりするわけないじゃないか!それに勇太さんは公務中に亡くなったんだぞ。真奈美さんと何の関係もないはずだ!」だが、私は兄の手首をつかんで、冷たく笑った。「ここは職場よ。あなたが私を好き勝手に閉じ込めておける家じゃないわ。信じられない?勇太さんが死ぬ直前に、秘密の電報を受け取ったことは知ってるでしょ?その電報は誰が出したか、知ってるの?」そう言って私は冷たい視線で、彼をまっすぐ見つめた。すると兄は一瞬うろたえ、唇をふるわせた。「ありえない……絶対にありえない……」そう言って兄は私の手を荒々しく振り払うと、足早に職場から出ていった。きっと、彼が向かったのは尋問部門でしょ。前の人生で、私は刑務所から出たあと、上司に言われて資料室でしばらく働いたことがあった。そのとき、勇太の死亡に関する資料を見た。亡くなる直前、彼は無線機である言葉を口にしていた。「いや、あいつはまだそこにいる!助けに行かないと!」「勇太さん!気は確かか!すぐに着陸して戻れ!そんなことをしたら命が危ないぞ!」「あいつから電報が来たんだ。見殺しにはできない!」「電報」という言葉を聞いて、みんな勇太は仲間を助けに戻ったんだと思い込んだ。でも、あの緊迫した状況で、仲間に電報を送る時間なんてあったでしょうか?だから、最も疑うべきは真奈美なのだ。だけど、そのことを上層部に話すわけにはいかない。だって、生まれ変わってから、私は資料室に近づいたこともないので、話したところで私が疑われるだけだ。だから、上層部の人たちに自ら調べてもらうのだ。真相が明らかになるまで。……こうして朔は調査部門で1ヶ月を過ごしたあと、ようやく離婚に同意してくれた。そこで、真司が私を尋問部門に連れて行き、朔と直接会って離婚協議書に署名することになった。そこで目にした朔の姿は痩せこけていた。手錠をかけられ、彼の顔には絶望感が漂っていて、まるで囚人のようだった。「梨花!どうして真奈美さん

  • 思い入れはすべて水の泡   第6話

    そのおかげで、私は無事に釈放された。私が尋問部門を出るその日、入れ代わりに真奈美が連れてこられた。彼女は目を真っ赤にしていて、自分を連れてきた担当の職員に、必死で言い訳を繰り返していた。「こんなの全部三浦がでっちあげた嘘です!朔さんに聞けばわかります!私が極秘資料を探ろうとしたことなんて、一度もないんですから!」そして、真奈美は私に尋ねた。「どうしてこんなことするの?あなたの兄と朔さんがあなたを許さないはずよ!」しかし、私はそんな彼女を冷たい目で見ると、何も言わずそのまま尋問部門を出た。……それから家に帰ったあと、私はまっさきに上司たちへ朔との離婚を申請した。「三浦さん、君の気持ちはよくわかる。ご主人が君を監禁するなんてひどいことをするとは……本当に許せないな。彼は恩と愛情の区別がついていない。それに、彼が機密情報を漏らした疑いをかけられている。しかしこれっていう決定的な証拠もまだないんだから、離婚についてはもう一度よく考え直したほうがいいんじゃないのか」だが、私は首を横に振った。「いえ、離婚のことは、もうずっと考えていました。今回のことがなくても、私たちはもうやっていけません」すると上司はため息をつき、拘束されている朔本人にも意向を確認してみると言ってくれた。もし彼も同意するなら、すぐにでも離婚を承認する、とのことだった。一方、ミッションの選抜試験は、下半期に延期された。私はその間高度訓練チームに復帰し、下半期の選抜に向けて準備を始めた。そして訓練の後、メンバーたちが真奈美の噂話をしているのを耳にした。「やっぱりあの女、怪しかったんだよ。うちのチームの訓練って外部には非公開じゃないか。なのに彼女は家族が心配するからって写真を撮りたがって。朔さんもそれをずっと許してたんだ」「この前も、朔さんに頼んで有人宇宙船を見に行こうとしてたし。あんなの、誰でも見られるものじゃないだろ?毎回、入れる人はリストで決まってるんだから!」それを聞いて、私は彼らに近づいて、声をかけた。「数日後、上層部の人たちがここに来て、全員から事情聴取をします。その時は、皆さんそれぞれが見たことを、ありのまま話してください。お願いします」そう言われメンバーたちは一瞬驚いた顔をしたが、すぐに頷いてくれた。片や、朔は、離婚

  • 思い入れはすべて水の泡   第5話

    「もう騒ぐのはやめてくれ、お願いだからさ」朔はそう言って、私にすがるような顔を向けた。しかし、私はこぶしを強く握りしめた。「騒いでなんかない!私が言ってることは、全部本当のことなの。朔、あなたも兄ちゃんも、彼女に利用されてるだけなの!上層部が調査してくれれば、すべてはっきりするんだから!」すると、上司はすぐに、上層部へ調査を要請してくれた。待っている間、みんなは私の手から鎖を外し、お水を一杯くれて、私をなだめようとしてくれた。でも、朔は一度も私に視線をくれなかった。ただ、しくしく泣いている真奈美のそばに、ずっと付き添ってあげているだけだった。ほどなくして上層部の人たちがやってくると、朔は私のほうへ歩み寄り、冷たい目で見つめてきた。「梨花、もし調査で真奈美さんに何の落ち度も見つからなかったら、お前は部署の全員の前で彼女に謝罪するんだ。そして、自ら宇宙飛行士の資格を返上し、二度とこの職場に足を踏み入れるな」その警告するような目つきは、前世でも見たことがあった。もし本当に真奈美の潔白が証明されたら、きっと朔は私に手を下して、無理にでも宇宙飛行士を辞めさせるだろう。そう思って、背中を強張らせた私は彼を見ずに、こう言い返した。「何も見つからなかったら、職場と上層部が私に処分を下すはずだから、あなたに偉そうに指図されるまでもないわ」こうして私と朔は、別々に尋問部門へ連れていかれた。鎖をつけられたまま走り続けたせいで、手首は擦れて皮がむけ、血がにじんでいた。担当官の岡田真司(おかだ しんじ)が手当ての薬と包帯を持ってきて、医務官にまず私の傷を処置させた。「あいつら、職場で固く禁じられていることをやりやがって!もし傷あとでも残ったら、これまでの訓練が全部パーになるじゃないか!」確かに、もしこれで怪我をすれば、私はもう二度と宇宙船には乗れなくなるだろう。そう思ってうつむきながら、血がにじむ手首を見つめていると、私の心に覚悟が決まっていった。自分の未来を守るためにも、絶対に朔と兄を捕まえさせないと。こうして私は真司の部下に連れられて尋問部門に入ると、まぶしいライトに顔を照らされ、目の前の人に尋ねられた。「話して、なぜ朔さんと真奈美さんを告発した?我々の知る限り、朔さんは君の夫で、真奈美さんは

Mais capítulos
Explore e leia bons romances gratuitamente
Acesso gratuito a um vasto número de bons romances no app GoodNovel. Baixe os livros que você gosta e leia em qualquer lugar e a qualquer hora.
Leia livros gratuitamente no app
ESCANEIE O CÓDIGO PARA LER NO APP
DMCA.com Protection Status