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第598話

Author: 結奈々
柚香はわずかに眉をひそめ、自分のオフィスへ戻った。

拓海が電話をかけてきたのは、いったい何のためだろう。

「実はね」拓海は穏やかな口調で切り出した。「ここ数日、君のおじいちゃんとも話し合ったんだ。君はたった二か月で目標プロジェクトを獲得した。本当に大したものだよ。だから一度、神崎グループの規模や業務を見て回って、慣れておいたほうがいいと思ってね」

「わかりました」柚香は断らなかった。

いずれ神崎グループのことは知っておかなければならない。向こうから提案してきた以上、断る理由もない。

拓海はそのまま話を続ける。「いつ都合がいい?君の従兄に手配させるよ」

柚香は一緒に外へ出ていた康平と慎吾に視線を向けた。

「今です」

ただ会社の規模を見せるだけなら、わざわざ拓海本人が電話してくるはずがない。

自ら連絡してきたということは、おそらくこの件を利用して何か仕掛けるつもりなのだろう。

ちょうど今日は康平も慎吾も連れている。本当に何かあったとしても、康平の対応力を見るいい機会になる。

「わかった」拓海は表向き、これまで一度も柚香と決定的に対立したことはなかった。「今すぐ蓮司に伝
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