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第622話

Author: 結奈々
慎吾がちらりと視線を向けた。

柚香もまったく同じ目をしていた。

康平は一瞬きょとんとして慌てて説明した。「いや、俺が言いたいのは、あいつは黒崎グループの取締役でしょう。病院に何の仕事で来たのかってことですよ。

黒崎グループが医療業界にまで手を出してるなんて聞いたことないですし」

柚香はしばらく彼を見つめていたが、結局何も言わなかった。

まあ、変だと思うけど、それでいい。雇った人間が自分に害を与えず、法律さえ守っていればでそれで十分だ。

少し間を置いてから、冗談めかすように続けた。「追いかけて聞いてみれば?もしかしたら独占スクープの第一報が取れるかもよ」

康平「?」

慎吾「?」

二人は同時に彼女を見た。

そして康平は、柚香の目の前にもかかわらず、そのまま慎吾に話しかけた。

「うちのお嬢様、最近ちょっと皮肉を言うようになったと思わないか?」

慎吾は淡々と答える。「皮肉じゃない。成長だ」

康平「???」

なんで何でもかんでも成長に結びつくんだよ。

柚香はそれ以上二人のくだらないやり取りを聞かず、慎吾を連れて本題の打ち合わせへ向かった。康平は空気を読んで車に残り、
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