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第663話

作者: 結奈々
安江「……」

昭彦「……」

昭彦は、安江のあからさまに呆れた視線に気づき、表情を少し曇らせた。

「まさか、あんなに早く上がってくるとは思わなかった」

「株の件はどうなったの?」安江は話題を変え、それ以上その話を続ける気はなかった。

「承輝派を除けば、他のみんなは俺に『株は柚香へ譲れ』って説得してる。もう少ししたら遥真のほうでも少し圧力をかけるだろうし、ほぼ決まりだ」

安江は目を細め、何か考え込むように黙り込んだ。

昭彦はその隙を逃さず尋ねた。「君が柚香に俺の株を受け取らせてもいいと思ってるってことは、つまり君も……」

「せいぜい有効活用するだけ」安江は彼を許したことなど一度もなく、その言葉も本心だった。「どうせ承輝たちに狙われるんだから、それなら正面からぶつかったほうがいい」

昭彦は思わず聞いた。「君は俺に、少しも情なんて残ってないのか?」

「ない」

「本当に、少しも?」

「欠片もないわ」

「これだけ何年も君一筋でいたんだから、それでも少しくらいは……?」昭彦は真剣そのものだった。「君が出て行ってから、俺は誰とも付き合ってない」

安江はじっと彼を見つめる。

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