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未来からの手紙、消えた悲劇

未来からの手紙、消えた悲劇

Oleh:  雪とお茶Tamat
Bahasa: Japanese
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大学入学共通テストを控えたある日、私は10年後の自分から手紙を受け取った。 【垣見萌々香(かきみ ももか)、お願いだから浮海卓(うきがい たかし)とは絶対に結婚しないで。あなたたちの結婚生活は、救いようのない悲劇にしかならないから】 顔を上げると、向かいの席で卓が繊細な手つきで私のために魚の小骨を取り除いてくれている。 彼は誰もが憧れる学校の王子様だが、決して威張ることはなく、私にはいつも尽くしてくれて、何でも言うことを聞いてくれる。 手紙の内容は、あまりにも突飛で悪質な嫌がらせにしか思えない。 私は納得がいかず、ペンを手に取って手紙の裏に怒りを込めて反論を書き綴った。 【あなたに何がわかるの!彼の瞳には私しか映ってない。彼が私をないがしろにするはずなんてないわ。 子供の頃から今まで、私が誰かにいじめられたら、彼はいつだって真っ先に飛び出して守ってくれた。 雨の日だって、自分がずぶ濡れになっても、傘を全部私の方に向けて差してくれる人なのよ】 最後に、私は力強くこう書き添えた。 【最悪の結果になったとしても、せいぜい苦労するくらいでしょ?命まで取られるわけじゃないんだから】 ペンを置いた直後、紙の上に新たな文字が浮かび上がった。 【いいえ、あなたは死ぬことになるわ】

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Bab 1

第1話

大学入学共通テストを控えたある日、私は10年後の自分から手紙を受け取った。

【垣見萌々香(かきみ ももか)、お願いだから浮海卓(うきがい たかし)とは絶対に結婚しないで。あなたたちの結婚生活は、救いようのない悲劇にしかならないから】

顔を上げると、向かいの席で卓が繊細な手つきで私のために魚の小骨を取り除いてくれている。

彼は誰もが憧れる学校の王子様だが、決して威張ることはなく、私にはいつも尽くしてくれて、何でも言うことを聞いてくれる。

手紙の内容は、あまりにも突飛で悪質な嫌がらせにしか思えない。

私は納得がいかず、ペンを手に取って手紙の裏に怒りを込めて反論を書き綴った。

【あなたに何がわかるの!彼の瞳には私しか映ってない。彼が私をないがしろにするはずなんてないわ。

子供の頃から今まで、私が誰かにいじめられたら、彼はいつだって真っ先に飛び出して守ってくれた。

雨の日だって、自分がずぶ濡れになっても、傘を全部私の方に向けて差してくれる人なのよ】

最後に、私は力強くこう書き添えた。

【最悪の結果になったとしても、せいぜい苦労するくらいでしょ?命まで取られるわけじゃないんだから】

ペンを置いた直後、紙の上に新たな文字が浮かび上がった。

【いいえ、あなたは死ぬことになるわ】

私は鼻で笑った。誰かのくだらないいたずらに違いないと思ったからだ。

無意識のうちに卓の手を掴み、この退屈な茶番を見せてやろうとした。

しかし、指先が彼の温かな手の甲に触れた瞬間、学食の喧騒が一瞬にして消え去った。

私の傍らに、宙に浮かぶ一人の女が忽然と現れた。

だぶだぶの入院用パジャマを着て、見る影もないほどに痩せこけた彼女は、「私は未来のあなただよ」と言った。

「しっかり見ておきなさい、萌々香。

これが、あなたが自慢してた愛の末路よ。泉田美希(いずみだ みき)が現れた後、あなたの愛がいかに安っぽく扱われるようになるか」

彼女の視線を追うと、そこには七年後の病院の廊下が映し出されている。

ベンチには、もう一人の私が座っている。

その時の私はおそらく25歳。苦しげに額を押さえ、指の間からは鮮血が滴り落ち、半分の顔と白かったはずのワンピースを赤く染めていた。

そして彼女の目の前で、卓は受付の看護師に向かって狂ったように怒鳴り散らしている。

「先生はどこだ!美希の指が紙で切れたんだぞ、なぜ誰も処置に来ないんだ!」

映像の中の私は、震える手を伸ばして卓の袖を掴もうとした。

「卓、頭がクラクラするの。私の傷も見てほしい……」

ほんの数分前、「暗いのが怖い」と美希から電話があり、卓は深夜に出かけようとした。

私は彼の身を案じて引き止めただけだったのに、彼は私を力任せに突き飛ばした。その際、私は額を鋭い机の角に強く打ちつけてしまった。

私の声を聞いた卓は、力強く私の手を振り払い、床に無様に転がした。

彼の瞳にはかつての優しさのかけらもなく、そこにあるのは底知れない嫌悪と冷徹さだけだ。

「萌々香、いつまで演技を続けるつもりだ?

美希はピアニストなんだぞ、彼女の手がどれほど大切か、わかってるのか?お前みたいな図太い女は、多少血が出たところで死にはしないだろう」

彼は私に触れられた袖口を忌々しそうに払いのけた。

「さっさと向こうへ行って手当てしてこい。その死に損ないのような顔で美希を怖がらせるな」

その瞬間、前触れもなく凄まじい激痛が襲ってきた。

額の裂傷の痛みだけではない。心臓を根こそぎえぐり取られるかのような、絶望的な痛みだ。

私は叫び声をあげようとするが、喉からは何の音も漏れない。

愛する人からゴミ屑のように扱われる絶望が、心をズタズタに引き裂いた。

ハッと我に返ると、卓が心配そうに私の顔を覗き込んでいる。

「萌々香!どうしたんだ?急に顔色が真っ青だぞ。

頭痛か?どこか具合が悪いのか?」

手のひらの温もりも、瞳に宿る思いやりも本物だ。幻影の中にいた冷酷な男とは、まるで別人のようだ。

けれど、先ほど感じた引き裂かれるような痛みは消えず、私の体は震え続けている。

目の前にいるのは、私以外には目もくれない、一途な卓だ。その姿を見つめ、私は心の中で激しく反論した。

――彼は私を愛している。あの最低な男が、絶対に彼なわけがない!

今の彼は、私が少し眉をひそめただけでおろおろして心配してくれる。泉田なんて女、知りもしないはずよ!

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橘ありす
橘ありす
これはとても良いお話 やり直しができる年齢まで遡るのではなく、過去の自分に忠告に行くってのが新鮮 男が馬鹿だったのはともかく、クズ女にも散々な未来がきてほしかったなー 書かれないだけでロクな人生にはならないよね、きっと
2026-02-06 22:42:13
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anest
anest
ほとんどがおんなじ流れで飽き飽きしてましたが、これはよかった!!!この作者さんの物語はもっと読みたいです。パターン化されたくだらなさ過ぎる物語多すぎ。なんとかして欲しい。タイトルだけで見たくないのばっかり。
2026-01-27 18:13:45
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kogorou21
kogorou21
こういうファンタジーは好きです(^o^) 未来から自分宛ての手紙が来て、さらにその裏側に返信を書いたら、その返信への返事がすぐに書かれたのに、ビックリしないヒロインに私の方が驚いてしまいました。 でも自分を取り戻そうとする萌が頑張ったから、ヒロインもついにクズ男の真実を受け入れることができてか何よりです♪ 良い読後感でした。
2026-01-25 17:05:14
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松坂 美枝
松坂 美枝
クズ男女のせいで人生ダメになったけどやり直しで勉学に励んで成長した主人公に対してクズ女のせいで人生ダメになるクズ男シリーズ大好き これは未来の自分が助けになってくれた珍しいパターン 読んでてずっと楽しかった♡
2026-01-19 09:33:03
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ノンスケ
ノンスケ
本物の愛だと思っていた彼が、実はクズ男で、未来の自分から来た手紙と自分のおかげで本性を見抜き、自分の力をつけ始めて歩き出す主人公。こういうサクセスストーリーは気持ちいい。
2026-01-19 17:23:43
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