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第6話

Auteur: 子豚狐
海水の引きがあまりにも速かったため、亘は私の服の裾に触れることすらできなかった。

私はダイバーによって潜水艇の中へと引き上げられ、密かにその場を離れた。

海岸で、亘は私を掴もうとしたまま、まるで時間が凍りついたかのように固まっている。

その瞬間、彼はどうしようもないほどの不安に襲われ、脳の防御機能が働いたのか、感情を失ったかのように呆然としている。

背後から佳純の声が聞こえてくるまでは。

「お義兄さん、お姉さんはまだ拗ねてるの?私、謝りに行くわ。全部私が悪いの。お姉さんの気が済むなら、何だってするわ。お姉さんは私のことが大好きだから、きっと許してくれるはずよ」

その声に弾かれるように、亘は意識を取り戻した。振り返ると、そこには佳純の哀れを誘う姿があった。

いつもなら放っておけないその眼差しを、今の彼はただ嫌悪の目で見つめた。

意識が戻ると同時に、彼は巨大な悲しみの波に襲われた。考える間もなく、海へと飛び込んだ。

肌が冷たい海水に刺されるように感じ、強い水圧が耳に不快な轟音を響かせた。けれど、どれほど必死に探しても、私の痕跡は見つからない。

救助隊に岸へ引き上げられる
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