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第232話

Author: 雨の若君
司野の目に宿る冷淡さに、素羽の心は凍てついた。

犬でさえ五年も共に過ごせば情が移るというものを。どうしてこの男は、かくも非情でいられるのだろうか。

素羽は静かに言い放った。

「松信をどうにかしたいなら、そうやればいいわ。私は関わらないし、もし彼に罪があるのなら、それは自業自得というものよ。だが、無実の罪を着せるというのなら、あなたが自分の舅に行った非道の数々を、世に知らしめるまでよ」

彼が非情に徹するならば、こちらも非義を貫くまで。その時になって、あなたの名声を傷つけただのと泣きつかれては迷惑だ。

「今日まで知らなかったよ。お前にも牙があったとはな」

司野は身をかがめ、二人の距離を詰めた。

「ならば試してみようではないか。どちらが上か、思う存分やり合おう」

——

病院の玄関口で互いの意志を突きつけ合った後、司野は素羽を力ずくで連れ戻すことはせず、意外にも彼女を解放した。

素羽は、意を決して芳枝に離婚の意思を打ち明けた。芳枝の願いはただ一つ――素羽が幸せであること。司野と共にいようと、離れていようと、素羽が幸せであるなら、それでよかった。

芳枝に事情を話したのは、何
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