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第419話

Author: 雨の若君
その戯れにも似た嘲弄を浴びせられ、美宜は無意識のうちに両手を強く握りしめた。瞳の奥には、どろりとした陰湿な毒が一瞬きらめく。

だが司野がこちらを振り向く寸前、彼女は辛うじて表情を取り繕った。

今にも泣き出しそうな、か細い声を絞り出す。

「……司野さん」

美宜の姿を認めた瞬間、司野の顔に驚愕が走った。視線は彼女の腹部をなぞり、その瞳にはたちまち不快な陰が差す。彼女の出現を苦々しく思っているのは明らかだった。

「なぜ、ここにいるんだ」

思わず漏れたように、司野が問う。

だが美宜が答えるより先に、素羽が横から言葉をさらった。

「あら、妙なことを聞くのね。ベビー用品店に来るんだから、ベビー用品を買いに来るに決まっているじゃない。ここで食事でもするつもり?」

「先んずるより、機を掴むのが一番ね」

素羽は口角を吊り上げ、わざとらしく畳みかける。

「ねえ、あなた。せっかく選び方のコツも掴んだことだし、美宜の赤ちゃんの分も一緒に選んであげたら?妊娠中だというのに、旦那様も側にいてくれないなんて……ねえ、お気の毒だと思わない?」

美宜の手は小刻みに震え、奥歯は砕けんばかりに噛み締
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