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第321話

Auteur: 一匹の金魚
「中に入れ」

熱々の料理が運ばれてきた。

お手伝いさんが部屋の中に入ってきて料理を置くと、余計なことをせずにすぐに出て行った。

礼央は真衣を見た。「一日中何も食べてないんだろ。食事を済ませたら家まで送るよ」

「自分の車で来たわ」

つまり、礼央に送ってもらう必要もないし、送ってほしくもないという意味だ。

「お前が住んでいるマンションまで送るよう手配しておく」礼央が言った。「今の状態では運転しない方がいい」

「死にたければ別にいいけど、千咲は巻き込むな」

真衣は眉をひそめた。

目の前に置かれた料理は、どれも真衣の好物ばかりだ。

「富子おばあさんが届けさせたの?」

礼央は窓際に立って、淡々と言った。「富子おばあちゃん以外に、お前の好物を知ってる人間がいるか?」

真衣は、もちろん礼央が準備したなんてそんなに自惚れたりはしなかった。

仮に礼央が用意したとしても、それは富子の前での演技に過ぎない。

真衣は言った。「あなたがここにずっといる必要はないわ」

礼央は何も言わず、そのまま部屋から出て行った。

礼央もまた、真衣と一緒にいたくないようだ。

真衣にはそれが痛いほ
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