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第609話

ผู้เขียน: 花朔
彼女は外から向けられた視線に気づいたのか、はっと顔を上げ、ガラス越しに映る文翔のぼんやりとした影を認めた瞬間、正気を失ったように突進してきた。

「文翔!この恩知らずのクズ!出しなさいよ、今すぐここから!」

拳でガラスを激しく叩きつけ、鈍い音が響く。

冷たいガラスに顔を押しつけ、興奮で歪んだその表情。

かつて輝きを宿していた瞳は血走り、外を睨みつけている。

「あんたが、こんなことする権利があるとでも思ってるの?!あんたを救ったのは私よ!私こそ、本来、長沢奥様になる人間よ!あの下賤な女じゃないわ!!どうしてあの女が、全部を手に入れられるの?!

文翔!出てきなさいよ、この卑怯者!会うのが怖いんでしょ?!ねえ、私が怖いんでしょう?!」

喚き散らすうちに声は掠れ、耳を刺すような金切り声になる。

文翔は眉をさらに寄せ、反射的に紗夜を連れてその場を離れようとした。

だが紗夜は振り返り、静かに言った。

「中に入りたい。ひとりで」

彼女を見つめる文翔。

その瞳は、変わらず落ち着いている。

やがて彼は小さく頷いた。

「外で待っている」

取調室の扉が開いた。

紗夜はゆっくりと
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