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第3話

Author: satomi
last update Last Updated: 2025-12-24 18:35:13

「もう、若いカップルが何をもたもたしてるのかしら?子供の一人や二人、ポーンと作りなさいよ!」

「「「「そうよねー」」」」

「知ってました?太朗君のとうちのカナエは籍を入れるまで清い関係らしいわよ!」

「ほんとう?もう!カナエちゃんは真面目なのね。太朗もちゃんと養えるようになってくれなきゃ!」

と母たちは結構好き勝手に言っていた……。

所謂、井戸端会議というものを母たちはしているようだ。

父たちはいいのだろうか?

あ、今更か。尻に敷かれてるもんなぁ。……全員揃いも揃って。4人もいるのに。

「そういうわけで、あとちょっとだけど引っ越そうと思うのよ。ここの立地条件はいいわよ?でも壁がねぇ?」

「……薄いよな」

「……ね……」

やっぱり太朗も思ってたみたいだし、引っ越しには反対されなかった。良かったぁ。

この部屋ってやっぱり母親達の陰謀で出来てるのかしら?

「引っ越そうと思うんだ。せっかくだから、今後の二人の愛の巣?となる分譲マンション買ってさー。花子が卒業したら籍入れるだろ?家族が増えたり…。ああ、花子の子供は可愛いだろうなぁ」

豪は遠い未来に想いを馳せた。むしろ遠い目をしている。

「えぇ?!マンションを買う?いきなりローン?えーと、何歳までローンを払い続けるのかなぁ?うーん…」

花子は頭の中でそろばんをはじき始めた。

「悩む花子も可愛いケド、ローンじゃなくて一括で」

「一括ってどこにそんなお金あるの?闇金とかに手を出すの?やめてよ」

「俺の貯金。そもそも教員だし。お金使ってないから貯まる一方で結構あるんだよね。昔からのお年玉とかも地味に貯金してたし。使い道ないじゃん?」

「……」

(服とかあるんだけどな。豪さんはかっこいいから、何着てもその服がブランド物に見えるのよね)

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