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#14.5.三話の補足:中世の床に敷く草、ラッシュの話

작가: あともす
last update 게시일: 2026-07-19 19:00:06

 中世イングランドの屋内に入ると、床一面に草が敷かれていることがありました。

 といっても、日本の畳のように美しく編み込まれた敷物ではありません。もっとざっくりしています。石床や土間の上に、乾かしたイグサや葦に近い植物――ラッシュを、ばさりと撒いたり、束ねて敷いたりするのです。

 現代感覚で言えば、ラッシュは「床材」であり、「吸水シート」であり、「簡易じゅうたん」であり、「芳香剤」でもありました。

 石の床は、見た目こそ立派でも足には冷たいものです。冬や雨の日ならなおさらで、裸足で立てば容赦なく体温を奪われます。そこに乾いた草を敷けば、直接石に触れずに済み、踏み心地も少し柔らかくなります。ぱりぱり、かさり、と草を踏む音がするだけでも、むき出しの床よりずっと人の住む場所らしくなるでしょう。

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